カテゴリー「吉田拓郎×久保利英明弁護士(For Life1976創刊春号)」の記事

2011/05/24

1億2000万人「明日、手錠の時代」吉田拓郎×久保利英明弁護士

事実に反する記事

讀賣新聞朝刊 1973.5.24(木)

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事実に反する記事

讀賣新聞夕刊 1973.5.24(木)

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讀賣新聞朝刊 1973.6.3(日)

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■1億2000万人「明日、手錠の時代」吉田拓郎×久保利英明弁護士

本誌 きょうはお二人に単に”アーチストの人 権“とかいうことでなく、すべての人に関わり のあるプライバシーの問題とか、あるいはマスコミの報道のあり方などを中心に、ごくザックバランに話し合っていただきたいと思います。 久保利さんは例の金沢事件で吉田拓郎の弁護士として仕事に取り組まれたわけですが、あの事件は、いろんな意味で本日話し合っていただ こうとしている問題を含んでいたし、日本の現状を象徴していたように思うのですが……。

吉田  あの事件までは弁護士とは全然縁がなかったし,話したこともなかった。だいち弁護士 というのがどういう職業かも知らんかったのだけど、あそこへ入ってとにかくすごくこわかったんだよね。

久保利  警察というか、権力というものはこわいものだと思ったでしょう。

吉田  思いましたね。いきなり逮捕され、手錠なんかかけられ引きずり回されてね。あんなに 簡単に逮捕なんかしていいものなんなのだろうか。それから留置場というところ、これがまたこわい。

久保利  ふつうのこわさとは違った意味でね。

吉田  そうなんですよ。すごい孤独感。接見禁止で誰にも会えない。唯一何ができるかっていうと弁護士に会うことなんだね。窓越しに。それがとっても1日の楽しみなんですよ。それから取調べが楽しみになってくるんだよね(笑)。だが実はここがこわいんだなあ。取調べが終われば保釈で外へ出られるから、やりもせんことでもやったって言ってしまいたい気になる。よくいろんな事件で、被告が公判の席で自供をひるがえすってことがあ るでしよう。警察でおどかされたとかいって。ああいうことは実際にあると思うね。ぼくだって久保利さんが来て「そんな弱気を出しちゃダメだ」と力づけてくれなかったら、あぶなかった…(笑)

久保利 弁護士の立場からいうと、被疑者に完全に黙秘しろと指示するのは非常にむずかしいんだよ。だから「もしやりもしないことを自供 したら弁護士なんかしてやらないぞ」っておど かすわけだ(笑)

吉田  そういう点でも"教訓的“だった(笑)

久保利 だが、あの事件を教訓にして、自分の生き方を変えるなんてことは、この人は決して していないんだな。普通の人間だったら、やっ ぱりアレを教訓にして神妙になるだろうね。

吉田  まるでぼくは普通じゃないみたい (笑)

久保利 教訓にする方法を知っていながら、あえて教訓にしてたまるかって頑張ってるんじゃないかなって感じがする。そこが拓郎の拓郎たるゆえんだろうけどね。 吉田  それはどうだか知らないけど、とにかくあの事件で学んだことはいろいろあったね。まず警察はああも簡単に人を逮捕してもいいのか ということ。それとマスコミが警察の発表をうのみにしすぎること。ぼくの場合だと婦女暴行。 すごく安易だと思う。しかも書いたら書きっぱ なし。無実だとわかっても、事後処理は何もしてくれない。

久保利  いわゆるペンの暴力ね。

吉田  そうなると、ぼくらのように多少なりと も世間に名の知れた人間ばかりでなく、普通の人も警察の権力やマスコミに対して、ある種のガードをしなきゃならないし、弁護士というものがどうしても必要になる。自分の身を守るためにね。でないと、逮捕だけを待っていること になるし、マスコミの暴力とも戦えない。自分 では自分を弁護できない場合って、絶対にあるからね。

久保利  事件が起こってから弁護士のところへ 駆けこむというのではなく、ふだんから相談相手というか、ブレーンとして弁護士と親しくし ておくということがある程度必要だろうね。 。

吉田  そうだな。女の子の肩に手をかけるとき は、まず久保利さんに「大丈夫ですか?」ときいてからにする(笑)「そのへんならまだいい よ」という返事もらってから、さわったり(笑)

久保利  それは冗談として、いまの日本は危険 がいっぱいの時代だと思うんだよ。警察権力がくまなく行き届いているから、ちょっと何かあると、いや何もなくたって、誰かれなしにバカバカッとやる時代だし......。

吉田  この雑誌よんでる人だっていつ手錠か られないともかぎらない。

久保利  そうなんだ。しかもほとんどの場合、常習犯でないかぎり、突然捕まる。 

吉田  久保利さんにゴマするわけじゃないけど、そういう時、頼みの綱は弁護士さんだけだもんね。ぼくはあの事件の前までは、警察なんてものは全然こわくないと思ってた。ところが、ほんとに捕まって 留置場へほおりこまれてみないと、その無言の圧力やおそろしさはわからない

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本誌 金沢事件は結局不起訴になったわけですが 一般の人の感覚では、不起訴というのは無罪と違って何かもやもやしたニュアンスがあって、やっぱり 何かあったんじゃないかという感じが残ったように思うのですけど……。

吉田 たしかにあるんだな。それが…。裁判で無罪となったほうが、本当にシロみたいな……。

久保利  だけど不起訴というのは、裁判するまでもなく無罪だということだから……。

吉田  それが一般の人にはわかりにくい。新聞に不起訴って書かれるより、無罪と書かれたほうが、身の潔白が証明されたようなイメージがあるんだな。 不起訴の不という字が、不真面目とか不良の"不 という字と同じせいかもしれないけど(笑)

久保利  でも刑事やお巡りさんにはちゃんとわかっているから、拓郎が不起訴ときまったとたん、サインなんかもらいに来てたじゃないの (笑)要するに天候でいえば、不起訴は最初から晴れ、無罪は雲りのち晴れということなんだよ。

吉田 あれで裁判までいっちゃったらサインはないと・・・。

久保利 そこで今度は社会部記者だとか芸能記 者は、釈放した時にサインくれというのは不謹 慎だと思うわけよね。

吉田  それから非常に恐ろしいと思ったのは、 検察官を見ていると、自分の立場を守るために確定的にシロって段階でも、自分の立場があるって発言をするんだよね。これだけ騒がしといてナンちゅうことだってワケよ。

久保利  検察官なり警察の立場っていうのがよ り強くなっているからね。君の場合だって1日 11日でわかってたんだから、あんなに頑張ることないのに、叩けば何か出てくるんじゃないかと… (笑)

吉田  二日か三日目まではキツかったけど、あ とはロクなこときかなかったんだ…。

久保利  メンツっていうか、捕まえた時は知ら なくて、捕まえてみたら意外と人気のあるアー チストだとわかって…。

吉田  言ってましたよ。あんたのためにジェッ ト機が飛んだんだってね。大変なことなんだな って… (笑)

久保利  だから弁護団がジェット機で小松まで 飛んで来たなんて話になると、ギョギョッてな感じになるんでしょ。そんなえらい人だったのかって(笑) ところがマスコミ側ではこういった事実に基づかず、警察発表をウのみにして こちらの言い分はほとんど何もきかない。特に女性週刊誌はひどかった。あの時、いろんな記事を収集して回ったんだけど、あの女の子がかわいそうだという立場に最初から立って、読者の 同情心をあおりたてるようなことばかりワアワ ア書きたてていた。

吉田  ぼくのことにかぎらず、ああいうのは許されるんですかね、法律的に…。

久保利  基本的には法律的にも、道徳的にも許されないんだけど、日本の場合、書くほうばかりでなく、書かれるほうも遅れているからね。

吉田  しかも日本人は活字に弱いときてる。も し、書かれたのがテメエのことだったらどうするんだと言いたい。手錠の問題と同じでさ。他人のことだから面白がって見ているけど……。

久保利  日本人というのは、そういう点で非常 に操作しやすいんだな。拓郎の歌にあるけど、見出し人間がヒラヒラみたいな感じで、新聞や週刊誌の見出し一行読んだだけで「オッ、あいつやったな」と簡単に信じてしまう。それをさらに増幅するような記事をマスコミは書きたてる。そうなれば、もうマスコミなんてものじゃないよね。

吉田  例えば学生と機動隊の衝突現場を見ていると、機動隊のやり方はひどすぎると学生に同情するくせに、活字になった警察の発表を読むと、やっぱり警察のほうが正しいみたいなことになっちゃう。

久保利  自分で見たことよりも活字で書いてあるもののほうを信じる。活字の魔力なのかな。

吉田  それだけに、マスコミはもう少し何が真実かを見きわめた上で記事を書いてほしい。特に、斬り捨てご免みたいなことはやめてもらいたい。いくら事実はそうじゃないといっても、 決して反論はのせてくれないんだな。それどころか、ぼくなんかが記事にクレームつけると、 「あんた、ウチのような大出版社に文句をいうんですか?」(笑) そうかと思うと「わが社には謝罪広告を出す規定がありませんので……」 なんていう例もある(笑)

久保利  フランスには勝手に何か書かれた場合は反発権があって、その記事に対して同じ分量で反論できる権利が法律で認められてるんですね。アメリカでも最近アクセス権といって、マスメディアにアプローチしていく権利が認められてきている。先進国では日本だけなんだな。そう いう権利も何もなくて、謝罪広告二、三行ですまされちゃうというのは……。

吉田  ぼくらもそういう問題を、根本的に考えていかなくちゃならない時期に来てるわけなんだな。

久保利 アーチストとか芸能人というのは、強そうに見えて実は非常に弱い存在なんだな。だから、まずユニオンを作って、これまでみたいないい加減な報道は絶対に許さないというようにしないと……。 それをしないと、いまに芸能人はみんなスッ裸にされ、見せ物にされてしまうよ。

吉田  しかし現在何も問題のない連中は、ユニオン作るといったってノラんだろうね。なかなか・・・・。

久保利  ところが、いつ突然火の粉がふりかかってくるかわからん。さっきの手錠の話じゃないけど、絶対安全なんてありえないんだからね。

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吉田  ぼくら例えば、週刊誌の記者に尾行されたり張り込まれたり、うっかり電話に出て一言二言しゃべったらそれが十倍くらいに引き伸ばされてインタ ビュー記事になったり、というようなことは年中あるわけですよ。こういうのは法律的にはどうなんで しよ うね?

久保利  権利としてはプライバシーに属するんだろうが、ただイヤだというのに無理やり家の中へ入っ てきて写真とったりすれば、当然刑事事件になる。 だけど、どうしてそうまでもして人のプライバ ン うねえ。だけど、どうしてそうまでもdて人のプライバシーを侵すようなことをする必要があるんだろうねえ。

吉田  やはり読みたがる人がいるからだろう。

久保利 しかし、そういう記事をのせてくれという要求が、出版社に殺倒してるとも思えない んだけどね。(笑)

吉田  日本人にはノゾキ趣味があるんですよ。 隣りは何をする人ぞ、という伝統が… (笑)

久保利 それにしても、戦後三十年以上たってるんだよ。戦争を知らない人間が、日本の人口 の何十%かを占めてるんだよ。

吉田  そうだな。やっぱりそろそろ変えないと いけないな。いつまでもオヤジやオフクロから 与えられたイメージで物事を把握してちゃ。例 えば警察はいつでも正義の味方だとか、政治家は偉いんだとか、田中さんは悪かったけど三木さんはいいみたいにいわれると、本当にそうかと思うようなところがあるんだな。ぼくなんかにも・・・・。

久保利 何か言われたり、書かれたりするのを待っていてはダメなんだ。ペンの暴力に対して も国家権力に対しても,こちらからカウンターアタックをかけるぐらいの気持ちがないと。

本誌  その点、拓郎の場合ある程度は実践してるんじゃないですか。離婚問題にしても週刊誌にいい加減なこと書かれる前に、自らラジオを通し、自分の言葉で本当のことを喋ったりしている。ああいうやり方もやっぱりカウンター アタックといえるのでは…。

久保利 拓郎の場合、ああいうメディアを持ち得たということは, 一つの幸せだと思うね。も っとも拓郎以外にもそういうメディアを持ってる人はたくさんいる。でもそれを使おうとしない。それを十分に使ったというのはやはり先駆 的だね。この『フォーライフ』という雑誌も、せっかく出すからには,そういう意味でのカウンター・メディアになって斬られっぱなしにはされないぞ、斬られたら斬り返してやるというメディアになってほしいね。同時に,斬られっばなしで泣いている多くの人達にとっての救い のメディアにもなってもらいたい。

吉田  確かにそういう雑誌が必要な時期だ。さっきぼくは恵まれている。幸せだというふうに いわれたけど、それでも離婚問題に関しては女性週刊誌にはいろいろやられた。

久保利 佳子さんのお父さんの名前で発表された手記ね。あれはひどかった。実際の手記なんかじゃなく、インタビューを勝手にアレンジしてのっけて、当然のことと思っている。週刊誌の思い上がりとしかいいようがない。

吉田 ヤクザじゃないけど、シロウトさんに迷惑をかけすぎる。金沢事件のときもそうだし、 今度の離婚問題にしたって、佳子の実家の人間 とか、実家を含む親戚関係の人みんなを巻きこんでいる。 彼らにそんな権利があるのかといいたいね。あんまりハラがたつんで、女性週刊誌の記者にきいてやったんだ。「あんた、プライ ド持ってるのか」と。そしたら「持ってますよ」 というんだな(笑) 本当にプライド持ってたら、いい加減な記事なんか書けるわけがない。 ハッキリいって、持っているのは変なサド趣味 だけなんだな。イヤなことやってるって気持ちは持っていると思うんだ。それから脱け出るんじゃなくて、しょせんこんなことやってるんだ から、とことんイヤな奴は叩いちゃえみたいな 。そういうことで食っていける時代でしょ 本当に恐しいよね。 久保利そういう人間と、それを平気でのせる 編集部があるわけだからね。正常な感覚がマヒ しているというか、欠落している。まったく困ったことだ。

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久保利 ではどうしてマヒしてしまったかというと その裏には芸能誌と芸能界というかプロダクションとの癒着という問題がある。新人とか、落ち目になったタレントが、自分のほうからスキャンダラスな話題を作り上げて売り込むなんて例もあるし、そう いう人たちは何を書かれようと、何にも書かれない よりマシだという考えだからね。そうしたことが慣 習化すると、書く側は芸能人のことなんか何を書いたっていいんだと思うようになる。

吉田  だけど、そういうバーター形式で何らかの名声や地位、地位なんてないけど、それを得たとしても、そいつは結局あとで身動きとれなくなってしまうんだな。何もかもつかまれてるから。それに日本の場合、プロダクションに横暴な部分や陰湿な面が あるし、タレントもミーハーが ほとんどだから、22~23になってやっと自分というものに気がついた時は、がんじがらめになってしまっている。

久保利 日本で大人のスターが育たない原因は、そ のへんにもあるんだな。

吉田 日本の芸能界ってところは、何だか知らないけどカッコよくないんだな。ウジウジしていて・・・・。結婚や離婚にしても、恋愛にしても。だから週刊誌のほうは、昔の女性関係を洗ってみたり、裏ばかり 嗅ぎまわって、揚句の果ては衝撃の告白だろ。,読んでみると、衝撃でもなんでもないのに・・・・(笑)

久保利  マスコミ側に、取材してやるという意識があるみたいだね。取材はさせていただくも ので、喜んで応じる奴もいれば、イヤだという 奴もいるはず。ところが取材を拒否するタレン トはまずいない。自分に不利な場合ならともか く・・・。でも有利だろうが不利だろうが、マスコミ嫌いみたいな、そういう形の拒否の仕方は少ない。その点でも拓郎は先駆的なアーチストだ。 (笑)そういうことがわかってないから、マスコミは従来のバーターで育ったタレントと拓郎のようなアーチストを混同してしまうんだね。

吉田  それに関しては面白い話がある。ロンドンに行った時のことだけど、空港に着くと日本の週刊誌の取材班が待っていてね。冗談じゃない、遊びに来たんだから取材は断わると言った ら、これがロンドンの慣例だといって怒るんだよね。むこうは・・・・・(笑)

久保利  そういう慣例はあくまで拒否すれば拒否できるけど、本人の承諾も得ないで、誰かからちょっと聞いた話を元にデッチあげた記事を衝撃の手記として発表するなんてことは、慣例だからといって許される問題ではない。その上そういった類の記事が出ている週刊誌が何冊もあって、何十万部も売れ、何百万人もの人間が読んでいるというのは少々異常じゃないかね。

吉田  作る側にも問題があるけど、買う側にも確かに問題がある。

久保利  テレビにもふえてるね。その種のノゾ キ趣味の番組が…。それも最近は芸能ゴシップばかりでなく、犯罪の陰に女ありみたいな話で、 ごく普通の人のウラを探り出し、実はこういう 男だとか女だとか暴露してみせたりしている。

吉田  こわいことだな。

久保利  そう、こわいことだ。単に一人のアー チストの問題とかいったものじゃない。マスメ ディアがみんなそういう方向へ行っちゃつて 肝心の田中金脈やロッキード問題などはワアワ ア騒ぐだけで、自分の目と足で真実を究明しよ うとはしない。

吉田  女性週刊誌の記者が全部、せめて一週間だけでもロッキード問題に取り組んでくれたらね(笑)ところがロッキード全然興味ないっていうんだな彼らは・・・。戦争がおこったらどうするんだっていうんだ。人のウラを興信所みたいに探ってさ。いちばんに死刑だ(笑)

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本誌  話は変わりますが、いわゆる差別語の問題について話し合っていただきたいのですが。

久保利 いわゆる差別語を使わずに、表現ができるんだろうか? 歌の詞にしても…。

吉田 できっこないでしょ。そんなきれいごとだけではモノなんか書けない。理髪店でなく、 床屋じゃなくちゃいけない歌があるし、百姓じゃなきゃいけない歌があるわけ。

久保利  農業従事者じゃ歌にならんよね。

吉田  農業従事者のほうがいやらしいよ。百姓のほうがきれいなんだ。日本語として・・・・・。

久保利  差別がいかんのと、差別語がいかんの とは別の問題なのだからね。

吉田  特に芸の世界ではどうしても必要な場合 もあるんだな。漫才なんかでは、百姓なんて楽 しいイメージがあって、そこに明るい笑いが生まれる。その笑いは差別なんかじゃないんだ。 だって日本の芸能だし、文化だよね。そういったものをぶち壊そうとしているんだよ。マスコミがそう いう力に迎合している。すごく不愉快だね。

久保利  筒井康隆が書いてたけど、差別語を使うと編集者が勝手に変えちゃうんだってね。女中と書く とお手伝いさんというふうに。これは大変な問題だよね。そんなこというんなら,日本の民法なんて差別語の羅列だよ。例えば聾者、啞者、盲者は準禁治産者にできるという条文がある。これはオシやつんぼは法律的な能力が完全にないというわけ。つまり オシやつんぼは差別すべしということなんだな。そういう条文があるのに、オシとかつんぼとか言っち ゃいかんといってもはじまらんよ。

吉田  こんなことしてたら、いまに日本語の文化なんてなくなってしまう。女中とお手伝いさんでは イメージの展開の仕方が違う。それが日本語のよさなんだからね。

久保利 拓郎には放送禁止歌はないの?

吉田  問題になったのは『ペニーレインでバーボン』の中の”つんぼさじき“という言葉。つんぽというのがひっかかったわけですよ。

久保利   ”つんぼさじき“という言葉から、つんぼ をとっちゃって、さじきだけ残ったって何の意味もなさないもんね。

吉田  いまに一階席、二階席も差別語になるんじゃないかな、棧敷に対して(笑) 芽ばえようとして いる日本の文化をぶち壊そうというつもりじゃないのかね。そんな権利は誰にもないはずだ。そういう連中に国語辞典を作らせてみたらいいんだ(笑)

久保利 作れっこないよ。

吉田  ただ、そういう一種の言論弾圧に対して戦う ことは必要だけど、だからといって放送禁止歌にされたことを、何か勲章でももらったみたいに思うのは間違いだ。少くとも前向きじゃない。

久保利  こうした表現の自由の問題ひとつを考えても、この際やっぱりアーチスト・ユニオンを作らなくちゃいけない時代じゃないかな。そうでないと創作の場がなくなってしまう。差別語問題ひとつにしたって、ある日突然、拓郎の歌が槍玉にあがるということだってあるからね。やはり権利のための闘争をして、自分自身の発表の場を確保するための努力をしないと…。

吉田  すべて、今がよければいいって感覚じゃダメなんだな。とりあえず今日、幸せな人だからいいやなんて思ってると、明日は手錠ってことがあるわけだもんね(笑) ぼくたちだけじ ゃなく、普通の人たちも考えなくちゃいけないことなんだよな。明日手錠ってことは……。明 日とつぜん戦争が起きたら、戦場に行かされて しまう。そうしたことに対する自己防衛をして おかないと・・・・・。

久保利  最近の若者たち、ことに芸能界の人間には危機意識がなさすぎるんじゃないかな。アーチスト馬鹿みたいな形で、いい曲作ってそれでおしまいみたいな危険性がある。たかが芸能界の中でも自由が守れないようじゃ、言論のもっと大きなところで自由なんか守れっこない。 本当に今や、明日手錠の時代なんだからね。

吉田  『明日手錠が』って歌、作ろうかなあ・・・(笑)

久保利  『みんな檻の中』というのを作ろうって言ってたじゃない。金沢事件で出てきたすぐ あとの記者会見で……。

吉田  あの時は半分冗談だったけど、 いまが明日手錠の時代だというのは、なにかこう実感と してせまってくるものがあるんだな。その時はまたよろしくお願いします(笑)

本誌  本日はどうも長時間ありがとうございま した。雑誌『フォーライフ』も明日手錠の時代 におけるカウンター・メディアとしても頑張っ ていきたいと思います。

(For Life創刊春号)

 

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Kトラゲスト猫2005.11.18 LIVE 2012 LIVE 2014 Live 73 years_ LIVE2012 LIVE2016 LOVE LOVEあいしてる MUSIC AIR Live Lab.#21:青山純Super Sessions LIVE! feat.今剛×伊藤広規×KAZ南沢×エルトン永田×Mac清水_ MUSIC Sketch Book最終回 吉田拓郎 1983週刊FM2.23→3.13号 My Tube NHKショータイム吉田拓郎 NHKラジオ深夜便 NHK青春プレイバック吉田拓郎ゲスト NY24時間漂流コンサート SATETO・日清パワーステーション SONGS SOUND MARKET '83 T's-R Takuro FOR YOU-2 Takuro NEVER SHRINK BACK AND ALWAYS SURE MESSAGE FROM 小倉エージ_ TAKURO YOSHIDA CONCERT TOUR 1989 TAKURO YOSHIDA TOUR 1989 - 90 人間なんて TBSドラマ゛しあわせ戦争」 TBSラジオ復刻・拓バカになった みうらじゅん×えのきどいちろう TBS水曜劇場 ドラマ おはよう The Musician's GuitarVOL.2 吉田拓郎 シンプジャーナル1984.8 TOKYO MOTOR SHOW 2017_ TOUR 1978 ~大いなる人~ TY INFO TY メッセージ TY-ONLINE SHOP TYIS TYIS CD「 From T」8月29日発売 TYIS magazine TYIS NEW ALBUM 「From T」ジャケット初公開 Welcome to GRACELAND & Keigo Kageyama's LABEL・グレイスランド&蔭山敬吾のブログ・吉田拓郎の「ビート・ピッキング革命」まとめ読み YO-KING、曽我部恵一、MOROHAが居酒屋で弾き語る「スズコウ★ナイト2・野の仏(吉田拓郎) / YO-KING YOKOSO ■青春のフォーク 南 こうせつ24・【真夜中のロックンロール】 時代の証言者・読売新聞2017.8.26朝刊 ■青春のフォーク 南 こうせつ・【つま恋が地響きに】 時代の証言者・読売新聞2017.8.24朝刊 ◇新譜ジャーナル'82.11偉大な先輩、素晴らしき後輩に乾杯 8月12日坂崎幸之助のオールナイトニッポン: 吉田拓郎・アルフィー誌上放送 「十年目のギター」が残したものは? ・新譜ジャーナルベストセレクション'70s 1980 「吉田拓郎」 ぼくの音楽人間カタログ 山本コウタロー著 【東映チャンネル】影の軍団 服部半蔵 2018/11/9(金)11:00~13:30 ‬森下愛子出演 【第16回輝く日本レコード大賞(1974年)】CS296 12/01 11:00~12:50_ あぁ青春のアヘアヘ物語 あいみょん あなたに影武者がいたらどうする? / 1980.6明星 おすすめサイト お喋り道楽 お知らせ かぐや姫 かれが殺した驢馬 このブログの人気記事ランキング この唄を君に贈ろう■連載中■ ごめんね青春 じゅんの恩返し・拓郎編 すばる・吉田拓郎ロングインタビュー 2010・3 たくろうのともだち / よしだ・たくろうの世界 たくろうの気ままな世界 たくろうパック たくろう旅の顔・ヤング・ギター'73.2 × ヤング・ギター・クロニクルVol.1吉田拓郎これが青春 ちちんぷいぷい歌碑ものがたり ~吉田拓郎編~2014.11.7 つぶやき つま恋 つま恋2006 はっぴいえんど ぼくの靴音/堂本剛  愛しています みうらじゅん よしだたくろうLIVE '73 よしだたくろうの母 吉田朝子さん・週刊平凡毒蝮三太夫シリーズおふくろ第34回 よしだたくろう・まんが履歴書=黒鉄ヒロシ アルバム サマルカンド・ブルー拓郎インタビュー アルフィー イルミネーション エレックの時代Ⅱ萩原克己 エンケン オールナイトニッポン オールナイトニッポンGOLD カセットテープ・ミュージック ・ 第25回「吉田拓郎の歌詞が好き ガガンボン日記・拓郎編 キャンディーズへの手紙 吉田拓郎 ケメ コンサート サマルカンド・ブルー REPORTAGE FROM NYC FROM THE STUDIO サマルカンド・ブルー安井かずみ・加藤和彦・立川直樹 対談 ザ・フォーライフヒストリアル~ペニーレインで雑談を シンプジャーナル1984.11海外特写&レコーディング吉田拓郎 ジュリー×たくろう対談・ぼくたちすっかり酔っちまってね・ スティーヴィー・ワンダー チェリスト友納真緒さんのブログ・9/8つま恋! チャンネル銀河・中島みゆき特集 テレビ・ラジオ テレビ番組 ドラマ 時間ですよ第3シリーズ ドラマ『監獄のお姫さま』 ニッポン放送のってけラジオ ニッポン放送アナウンサー ニッポン放送垣花アナウンサー拓郎にフルフールのゼリーを贈る バレンタインデー 吉田拓郎 ビートルズが教えてくれた 拓郎×岡本おさみ対談 ビート・ピッキング革命 フォークソングの東京・聖地巡礼 1968-1985 金澤 信幸 フォーク・ルネサンス フォーク村 ボブ・ディラン ポーの歌 ミニ情報 ムッシュかまやつ ムッシュかまやつ_ ヤングフォーク ヤングフォークNo.1 1972.初夏号 ユーミン ライヴ情報 ラジオDJ広場・サタデーナイトカーニバル 1980.6明星 ラジオでナイトブログ ラジオ深夜便 ラジオ番組 世界まるごとHOWマッチ 中島みゆき 中川五郎 中沢厚子 久保利英明(弁護士) 亀渕さんの愛聴歌は拓郎のファイト!_ 二流の人 海援隊 井上陽水のベストパフォーマンスがここに! 『GOLDEN BEST』映像版が登場 人間研究・第3回《吉田拓郎》リタイアしない青春だからこそ 月刊明星1980.6 今夜は星空 いしだあゆみ 今日までそして明日から 今日までそして明日から・大越正実 シンプジャーナル 1990.3 僕の旅は小さな叫び 僕らの音楽 加藤和彦 南こうせつ・ニッポン放送のってけラジオ  原由子 吉田拓郎 吉田拓郎 '80~'81激走つづける男のスタイル 構成・文/こすぎじゅんいち 写真/山㟁正良 吉田拓郎 1982.7.27・Tour Final in 武道館 誌上完全再録 新譜ジャーナル'82.10 吉田拓郎 アーチの向こう側(ツアー"人間なんて"・新作「176.5」) 文・石原信一 撮影・大川奘一郎 新譜ジャーナル1990.2月 吉田拓郎 ライブでナイト 2019 in 神田共立講堂 吉田拓郎 ・緑の新居 さらに飛翔への砦!'82.2 明星 吉田拓郎 今、更なる戦線布告・平凡パンチ1980.4.28 吉田拓郎90年代へ・・・・・。・パチパチ読本 1990年_ 吉田拓郎INTERVIEWつま恋の朝、"これまでのオレ"は、死ぬんだ / '85.7シンプジャーナル 吉田拓郎LONG INTERVIEW 今、再び荒野をめざして 新譜ジャーナル'82.5 吉田拓郎×久保利英明弁護士(For Life1976創刊春号) 吉田拓郎×岡本おさみ対談 前後編 新譜ジャーナル1984年6月7月号 吉田拓郎×岡本おさみ対談1984 新譜ジャーナル_ 吉田拓郎×岡本おさみ対談 後編・ 新譜ジャーナル1984年7月号 吉田拓郎、「ラジオでナイト」 旧友に向かうような口調で「素」の自分を語る 田家秀樹 吉田拓郎「女ともだち」浅川マキ 吉田拓郎と愛の歌 ('82オールナイト・ニッポン 最終回より)  吉田拓郎の「ビート・ピッキング革命」 吉田拓郎のオールナイトニッポン 吉田拓郎の唄 吉田拓郎インタビュー・2005年8月20日(土)FM NACK5 J-POP MAGAZINE 田家秀樹 吉田拓郎インタビュー・新譜ジャーナル1977.10 吉田拓郎クリスマス 吉田拓郎コンサート2019 吉田拓郎ドラマ曲 吉田拓郎ラジオ 吉田拓郎ラジオでナイト 吉田拓郎ラジオでナイトMyTube 吉田拓郎ラジオでナイトブログ 吉田拓郎・ムッシュかまやつ 吉田拓郎・男のライフスタイル / 平凡パンチ1984.3.19号 吉田拓郎夜のヒットスタジオ 吉田拓郎新居でご満悦 吉田拓郎死亡事件・1981年3月13日(金) オールナイトニッポン 吉田拓郎詩集BANKARA 吉田町の唄YOSHIDA「若者共和国の120日」 地球音楽ライブラリー 坂崎幸之助 大いなる人・拓郎×岡本おさみ対談 大野真澄 安井かずみ 富澤一誠の「俺が言う 」 小室等 岡本おさみ 岡本おさみ・かまやつひろし対談 ビートルズが教えてくれた 岩崎宏美 広島フォーク村40周年記念同窓会&ライブ 広島フオーク村 広島修道大学「吉田拓郎歌碑除幕式」 心に残る歌を、あともう一曲 喜多條 忠インタビュー・聞き手/残間里江子 所ジョージ・吉田拓郎 拓ちゃんCM 拓ちゃん小ネタ 拓郎、テレビで歌う・1972.4.23(日) PM5:00~ リブ・ヤング! 拓郎、東京キッド・ブラザースに歌を語る(かれが殺した驢馬) 拓郎カレンダー 拓郎出演テレビ番組 拓郎展 拓郎新譜 拓郎関連ブログ 斉藤哲夫 / されど私の人生 新六文銭 新聞 新聞記事・拓郎 旅に唄あり 岡本おさみ / 襟裳岬 旅に唄あり 岡本おさみ_ 旅の重さ 日常 映画「恋妻家宮本」 映画「結婚しようよ」 映画・甘い暴力 普賢岳災害救済 スーパーバンド 松任谷正隆 松任谷正隆「クルマとトイレ」 松本隆「外白」を語る 桑田佳祐 森下愛子 検見川廣徳院 歌謡ポップスチャンネル 残間里江子・加藤和彦 Interview 泉谷しげる 深夜のラジオっ子 村上謙三久 テレビじゃ、これは伝わらない・田家秀樹に聞く 深夜放送ファン 満島ひかり 瀬尾一三 火曜ドラマ「監獄のお姫さま」(通称 プリプリ) 燃える38時間 Takuro Yoshida Island Concert in Shinojima 玉城ちはる 王様達のハイキング 田中秋夫 田中秋夫が語るラジオ局が結集した〝伝説〟のコンサート 田家秀樹 田家秀樹 Kei's BAR__ 田家秀樹ブログ・新・猫の散歩 甲斐バンド 矢島賢さん 秋元康氏とユーミンに共通するクリエイターの感覚 竹田企画 紅葉 / 島倉千代子 純情 -なぜか売れなかった ぼくの愛しい歌 - 阿久 悠 自分の事は棚に上げて 芸能界でコーヒー・ブレイク 吉見佑子-吉田拓郎編- 菅田将暉 落合恵子のちょっと待ってMONDAY 落陽 / 旅に唄あり 岡本おさみ 蔭山敬吾ブログ 襟裳岬 訃 報 記念日 過去ログ 遠藤賢司 重松清 阿久悠 雑誌 青春のフォーク 南 こうせつ27・【あの頃にタイムスリップ】 時代の証言者・読売新聞2017.9.4朝刊 青春のフォーク 南 こうせつ27・【大雨の「サマーピクニック】 時代の証言者・読売新聞2017.8.30朝刊 音楽 音楽番組 高田渡&よしだたくろう - '70年9月16日 ライブ 黄金の60年代、「キャンティ」とその時代 川添象郎・ムッシュかまやつ・ミッキー・カーチス