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2008/06/01

サマルカンド・ブルーA magazine filled with essence of sexy guy - September 1986 【 拓郎インタビュー③ 】

06

I have not been drinking,to get my body in shape. So that I can sing.

─ TONOVANて、プロデューサーとして、これまでTAKUROのなかったものを引き出したんじゃない。

T: うん、あるよ。専門的にいうと、コード進行のあり方でさ。 俺が使うコード進行と同じなんだけど、メロディーが彼が作ると違う方向へ行くんだよね、すごく。それはひとつ体験した俺ね。で、歌ってて気持ちいいのよ。合ってるもんね。俺が作ったみたいに聴こえるんだよ。びっくりした!

─ 今言ったみたいに、あのアクの強い声がきれいに流れるって いう……?

T: そこはだから、俺のことをよく勉強して彼はやったんじゃない。すごいと思うよ。中々できないよ。作曲って押しつけだからね。 相手のことなんか大体考えないでやるからさ。 そういう意味ですごくびっくりしたね。

─ やっぱり好きなんだよね。絶対、TONOVANてTAKUROのことが…。

T: 好きだろうね。

─ 好きだからここまでできたんだよ。

T: そりゃそうだよ。だって東京でさ、何度も"俺、もうやめた"って 言ってるのに"行こう、行こう、行こう。やろう、やろう、やろう"って凄かったもん。彼は燃えてるよ、今回は。

─ 音を薄くするっていうのもTONOVANが……?

T: それは一番最初にね。とにかく基本はドラムとベースって…だからドラムとベースを呼んだんだって言ってたよ。薄いよね。俺は埋める癖があるんだけど、彼は埋めない。

─ ライヴのときのミュージシャンの数とか、埋め方ってすごいもんね。
  
T: すごい埋める。俺、退屈しちゃうんだよ、間が空いてると…。

─ (笑)

T: 何かやれよお前、暇なんだろって気になっちゃうの。セコイっていうかさ。

─ 11曲やった中で、今、取り立てて好きな曲ってある?

T: 「TKYO」以外は大体いいね。ヴォーカルがうまくいったっていうのがあるからね。これからミックスでどうなるかわかんないけど…。

─ でも歌があそこまでちゃんとしていれば、いい意味でミックスもやりようがないでしょ?

T: 面白いLPだとは思うよ。

─ ZUZUに全部詩を任せた時から、自分なりに歌うことに専念できると思った……?

T: もうそれしかないと思った。だって他のことでケンカできないわけじゃない。"歌だけは馬鹿野郎!"って感じで"歌うよ、俺は"っていうのがあるからね。 ヴォーカルだけだよね! 勝負は。

─ なるほどね。逆に作る前に、ZUZUに詩を頼もうと思った時から一発びっしり1枚歌ってみたいって気はあったの?

T: そんなにだいそれたことじゃないよな。ただまあ、詩は任せ たし、アレンジも任せちゃったし、口出しするとしたらヴォーカルだけだなと……、で、歌い回しにしては、また向こうも口出しするからさ。ZUZUが作った詩だから向こうのイントネイションに合わせようって……、もう声だけじゃない。いろいろやってたよ。ヴォーカルの間だけは……。

─ たとえば前に岡本おさみとか、TAKUROの詩を書いてた人との 関係と、今度のZUZUとの、作詞家と歌い手との関係って、何か変化ある? たとえば前はうんと口出ししたけど今回は出さなかったとか さ。

T: まあさ、ZUZUの場合はTONOVANとセットになってるニュアンスってあるじゃない。そういう言い方って失礼だけどさ。何か1セットになってるから、ZUZUだけとかTONOVANだけって感じじゃなくてさ……、大分イメージ違うよね。今までの松本隆とかさ……、松本隆とはけっこう討論してさ、戦わすんだけど……、1対2じゃ、こりゃしようがないわな。

─ もう叶わないんだよね。うち帰って、あのうちの中で何が行われているかわからないものね。

T: そう、そう、そう。何かいろいろやってるだろうなってことし かわからないからさ。そんなもん言ってもしようがねえや、これさっていう……。

─ そうすると逆に、任せた楽さっていうのもあったわけ?

T: そりゃあるよ、もうそりゃあるよ。だって俺、気楽だもん、今回。すっごい気が楽。知らないよって言えるもん。

─ (笑)

T: (笑)売れなくたって、俺、知らねえって……。

─ TONOVANがメロデイーを、TAKUROっていうのを考えて、すごく研究したとすると、ZUZUはZUZUなりに、言葉の部分ですごく意地張って、逆に逃げずに……、プロレスでいうと古典的な技だけで生もうとしてるっていうのも面白いよね。

T: そう、そう。あれは本気でケンカ売ってるよ。あたしTAKUROなんかより詩人なんだからっていう気分でやってるよ。あたしはTAKUROよりいい詩書けんのよっていう気分だと思うよ、あれは……。だって意地張ってるもん。

─ なるほどね。

T: 俺が使いそうな言葉、なるべく避けてるもん。

─ でも使いそうな言葉は避けてるけど、言葉ひと言っていう中に、何か逆に、十何年間で培われたTAKUROのイメージがワサッと入ってると思わない……?

T: あるかもしれないね。

─ 変にお洒落な言葉を使ってはないでしょ。いつもはけっこう小技を使う人だけど、今回はリアルに、ストレートにきてるよね。

T: きてるね。

It's fun to watch different people try different approach.

─ 高中のギターってどうだった?

T: 高中いいねぇ!

─ 前やったことあったっけ?

T: ライヴやった。レコーディングも1、2回やったんだけどね。ライヴはツアー回ったからね、大分前だけどね。

─ ここのところいいでしょ、また。

T: いいよ、あいつは……。抜けてる、抜けてる。驚いちゃったよ。最初、リズムとってる時に、あいつやる気あんのかなあって思ってたのね。で、1回説教したら……、あいつリアクションない じゃない。だから飽きちゃってやめたんだけど……、やる気あるのかなあって思ってたのね。でもこれ聴いていると、いいわあ、すごい。

─ マークは……?

T: 歌が入って良くなったね。ウイリーのベースも、歌が入るまでは、ちょっと聴けないって、あのままじゃちょっと聴けないって 気がしてたんだ、本当に……。でもKATOは見えてたらしいんだな。そこがプロデューサーなんだろうけど……。 俺には全然見えなくて、1、2回怒ったの。 "こんなんじゃ歌えない"って…。

─ たとえばこのメンバーで、1回だけ、昔の歌から好きなのを集めて、ライヴをやってみたいって思わない?

T: そりゃ思わない。 そりゃ。 それはまた七面倒臭過ぎるよ。

─ 簡単にできればやってもいいって……?

T: そりゃそうだ。いろんなコミュニケイションがとり易ければね。

─ 休んでる時って、けっこういろんなこと考える?

T: いやあ、俺はボケッとテレビ見てるか、雑誌読んでるか……、 とにかく、でもでも、ただ電話待ってるっていう気分は強いね、すごく。電話が楽しみだね。

─ どんなの……?

T: こういう映画があるから見に行かないかとか、こういう店ができたんだけど行ってみないかとか、面白い飲み屋があるとか、あそこにかわいい子がいるらしいよとか……。いろんな、雑多な人間が、いろんなアプローチしてくるじゃない。それはそれで、すごい楽しみなのよ。

─ たとえば仕事なんかでも、いろんな奴がいろんなことを言ってくると思うんだけど、"こんな馬鹿な話があったぜ"っていうとどんなのがある?

T: そうだなあ……、たけしが城を作るとかいうんで……、たけしの番組で……、そのお城の完成記念のスピーチやってくれっていうのがあった。(笑)

─ (笑)

T: 何でそんなこと、俺んとこにくるんだって!"それは渋谷、断ってくれよ"って……。"それはやめてくれよ"っていうのがあったなあ。

─ テレビとか映画の話ってよくくるの?

T: けっこうきてるけど、渋谷がとめてるね。レコーディングやってる時とかは取材とかも全部とめてるらしいし……。 

Let's all be selfish. It'll be alright.

━ 今、TAKUROが40になって、若いミュージシャンの中で    "あいつは面白えや"みたいな奴っている?

T: 若いっていうよりも、最初から桑田には興味があったね、    ずーっと……。で、相変わらずあいつがやってることは面白い。    無抵抗で好きなんだ。あいつのやり方は……。で、会って酒飲    んでると、またこれがナイーヴな人間なんだよね。"こんなこと    に気を使うの"みたいな優しい男で"ああなるほど、こういうところがあいつを支えているのかな"とかね。桑田は好きだよ。ミ    ュージシャンとしても、人間様も……,好きだね。 あとはほら、    音楽聴かないからね。人のはあんまり……。

━ 映画なんかだと、決まって、たとえば誰の映画だったら見に行く    とかってあるの?

T: ない、ない、ない。

━ 監督とか……?

T: まあ、だから女優でいうとジャクリーン・ビセットがすごい好き    だから、それだけは見に行く。あとは話題になってるって言われ    て、じゃあ俺も一応見とこうかっていうぐらいだね。でもあんま   り映画館行かないよ。

━ もうビデオ……?

T: ……。それはねえ、俺、最近変ったんだよ。引っ越ししてから…、    前は横浜だったからさ。渋谷に越してから、六本木も近いし、毎    晩飲みに行くなって思ったら、意外に家にいるのが気持ち良くて    ね。人が飲みに行こうって言っても"うち来いや"って言うんだ、   最近。"うちで飲まないか"って……。    そういうノリになっちゃってるんだよね。

━ でも皆んな出ないみたいよ。

T: 出ないねぇ。

━ 皆んな今のTAKUROじゃないけど、うちに来いやか、お前んちに行こ    うか……、それから飲みに行くというより、食事に出掛けて、その    後どこか行こうかっていうと、どっかの家に寄って終わると、けっ    こう楽に……。

T: 面白くないんだよね、やっぱり……。

━ 面白い店がないんだよ。そういう意味では、昔は溜まり場っていう    のがあったね……。

T: あった、あった。

━ どこの街にもあったでしょ。ペニーレインもそうだしさ。何かそこ    に行くと、何か面白い奴がいて、誰かいるかもしれないっていうの    が全然様変わりしちゃったじゃない?

T: そうだね。それは言えてるんだよな。面白いところないもんね、確    かに……。

━ 不良も減ったよね?

T: 不良は少ないんじゃないかなあ。

━ わがままな奴も減ったしさ。

T: わがままな奴は少なくなったねえ。

━ もう僕なんかよりも下ぐらいって、いないんじゃない。

T: そうだねえ。

━ 言ったらやっちゃうみたいなさ。TAKUROも瞬発力って言ってたけど、    やるかやらないかわからないことでも、一応言っちゃうでしょ、やるって……。

T: そう言ってさ……。

━ それで、言ったからやっちゃうみたいな……。

T: そう、そう。それで広げるって作業が必要なんだよ、これは……。

━ 酒ってもう、一貫して好きだった?

T: 好き、好き。好きですよ。倒れるまで行くよ、とりあえず。酩酊するっていうかさ。そうしないと何だか、ものすごい不愉快だよ。酒って    中途半端は……。

━ 変な言い方すると、SEXしてる途中でやめちゃったみたいな……。

T: それも嫌だね。(笑)

━ 今度東京で飲もうよ。

T: 飲もう、飲もう……。そういう奴っていないんだよ。今度会わないっ    ていうのはいるけどさ。TAMUJINがけっこう欲求不満で帰って……。

━ あ、TAMUJINと飲もうよ。

T: 帰り際に"思いっ切り飲みてえよ、俺"って言ってたよ。飲もう、飲もう。

━ バーンと……。 (GOSSIP+DRINK)

━ でもわがままな奴っていいね。

T: うん、いいねえ。そういう奴に好き勝手言われると、ガツーンてくるけど、    気分いいよ。気分爽快だね。

━ TONOVANだってけっこうわがままだよ。TAMJINだってそうじゃない?

T: そう、そう、そう。他のカメラマンじゃ俺のこと撮れないって言ってるよ。

━ そういう奴だけが残っていくんだよね。面白いな。

T: 皆んなでわがままやってればいいんだよ。        

 - インタビュー終わり -    

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サマルカンド・ブルーA magazine filled with essence of sexy guy - September 1986 【 拓郎インタビュー② 】

04

Part 2 After The Recording

The Beatles were a big dream,I really mean a big dream.

─ こうして歌入れが終わってみて、自分で、年代によって歌い方って変わったと思う? ─

T: 変わってるところもあるよ。変わってないところは変わってないけど……。でも変わってないところの方が多いよね。変わったところっていうと、良くないところだな。

─ それは…? ─

T: やっぱり艶がない!

─ 若さと関係あるのかな ─

T: うん、若さだね。はちきれるというかさ……、そういうパワー感というものがない。いくら叫んでもないね。

─ でもパワー感がなくなった代わりに、たとえばジャズ歌手の多くがそうであったように、違う唱法を自分なりにつかんだというようなことはない? ─

T: そうできるほど器用じゃないし、大体昔から歌はそれほどうまくないもの。

─ 僕は今回、うまいと思ったけどね。お世辞じゃなく。 ─

T: うまいという基準をどこにおくかだろうね。

─ 基準がどうかというより、今の若い歌手に"歌う"という行為を忘れてしまったような連中
が多過ぎると思わない。バックに負けちゃうというか、先にバックができるとそれに合わせて
歌っちゃうというか…。昨日TAKUROも言ってたけど"歌だけでは負けないぞ"という気迫ね。
それにここにTAKUROがいるんだということは、TAKUROがやるしかないんだもの。そしてうまくなきゃできないんじゃないの? ─

T: そうだろうな。そして、これは少し話がずれるかもしれないけど、声の質っていうか、質感のようなものがあって、人を……、もっと言うとミュージシャンを触発する声っていうのがあると思うんだ。俺の声っていうのはそうなんだな。それは自分でも最初から思っていたよ。声の質感はユニークだなって……。

─ 今まで随分大きな会場でやってきたけど、そういうところでコミュニケーションがとれるっていうのは、やっぱりそういう風に肉体がなければ無理だよね ─

T: そう。声っていうのは身体の一部だからね。 そういった意味では非常に肉体的だよね。

─ 「レノン症候群」って曲があるよね。レノンとえば、彼が死んだところと割と近い場所でああいう曲を歌う。ましてビートルズが好きだった。大好きだったってルーツを考えると、何か特別の感慨のようなものってある? ─

T: 余りないね。死んじゃった時は相当落ち込んだ感じがあって……、ヤバイなと思った
けど……。

─ どのへんの部分で一番ヤバイと思った? ─

T: 俺が勝手にそう思い込んでるのかもしれないけど、あいつはやっぱり組織とか、体制の中に入り切れない人間だったと思うな。どこか1人でさ。そういう奴っていうのは、大体、体制から潰される可能性が強いんだ。あれは確かに殺人者がいるんだけど、どうも俺には何か必然的な匂いがするんだ。何か世の中に潰されたって感じがして……。そういうのはヤバイなと……。それが特にジョン・レノンで行われたってのがヤバイと思ったね。選ばれたように殺されたっていうか……。

─ 用意されたようにね。ケネディ暗殺に近いものがあったよね? ─

T: そう、そう! 他のミュージシャンの名前をあげちゃ悪いけど、あそこはやっぱりジョン・レノンだったんじゃないかっていう……。

─ 一番最初にビートルズを聴いた時って、やっぱり触発された? ─

T: 凄かったよ! やっぱりうるさいっていう……、メロディーがどうとかいうより、とにかくうるさい!"こんな音楽が今から流行しちゃうのか"みたいな感じだったな。

─ 高校生の時だよね? ─

T: そう、1年の時だね。

─ やっぱりビートルズって、皆んなに自分たちでもバンドをやれるっていう行為に走らせた
じゃない。それでマイケル・ジャクソンなんていうのは、見てもとてもじゃないけど無理じやない。やる気にならないっていうか……、そのへんがすごく違うよね ─

T: そう、そう。俺でもできそうって感じを与えてくれたからね。それでビートルズって、俺でもじゃなくて、俺たちって感じだったじゃない。4人いればいいんだと……、とりあえず4人仲間が集まれば、何かできるかもしれないって。これは大きかったよね。与えられた夢としてはね。

─ それで割とすぐ、バンド作っちゃったの? ─

T: うん、すぐやったね。で、ストーンズがいたからさ。皆んなたぶんビートルズにいくだろうってことで、あえてストーンズの作品を選んだりとかね。ファッションはビートルズしてるんだけど、サウンドはストーンズになっちゃってるっていう、変な傾向があったけどさ。

─ たとえばミック・ジャガーっていうのもまた、ジョン・レノンみたいにな聖なる感じっていうのはないけど、彼なりに戦ってるわけじゃない。不良っていうのがトレードマークになってて、若干つらいところがあるけど、彼なんか見ててどう? ─

T: 俺はキース・リチャードにすごい関心があるから、あっちの方にローリング・ストーンズを感じててね。ミック・ジャガーにはあまり感じない。ワルとか不良とか、あの男のことを言うんじゃないかって感じがするんだよな。

I just have to go with that, don't you think so.

─ 昨日もTAMJINにちょっと言ったんだけど、TAKUROが"俺はわがままなんだよ"って言うと全部物事が……。いわゆる必殺技ってあるでしょ。何かミーティングやってても、何をこうしようああしようとか言ってても、最後に"俺はやりたくない。俺はわがままなんだ"で済んじゃうところってあるじゃない。そのわがままさっていうのを支えてるのは、やっぱり自分の信念とかパワーなんだろうね。そんなに大袈裟じやない……─

T: 結局、俺は一攫千金を夢見て東京に出て来てるわけじやないから……。だからミュージシャンじやなくてもいいってところがあるわけ。で、大学の途中で就職決まってたから、元々サラリーマンじゃないかっていうのがあるし、見合いで結婚するんじやないかって図式もあってさ。ひょんななりわいで、音楽で食ってるわけじゃない。だから"いつでも帰るよ"っていうのがあるわけ。別にこの世界にいなくていいよっていうかさ。だから平気なんだよね、誰が何言ったって怒ったって……。

─ なるほどね ─

T: つまり誰かが"協力しない"って怒るじゃない。"じゃあいいよ。やめようよ"ってなるわけ。それでもダメなら"じゃあ俺、田舎帰るから"みたいな気楽さがあるから……、ここにいなきゃいけないみたいな義務感て、俺、何にもないからさ。

─ そうすると、けっこう売れたアーティストが感じるようなプレッシャーとか、いい意味で感じないでずっと過ぎてると……?

T: そうなんだよね。お金持ちになったなあとか、よくわかんないじゃない。やっぱり金持ちにはなったけど、その場で使った方がいいって感覚なのよ。

─ うん、うん ─

T: どこでも行けるじゃないかって感じが、あるんだよね、いつも……。だから昨年のつま恋で引退なんて言ってるけど、そんな引退とか何とかって言うんじゃなくてさ……、自然の流れっていうか……。よく何周年記念コンサートとかやるじゃない。芸能生活何周年とかさ。ああいうことって俺には全然わかんないわけ、感覚とて……。

─ TAKUROって、16、7の子どもがデビューするのと違って、分別も何もある状態でデビューしたわけでしょ。ビートルズとか、ジョン・レノンもそうだったけど……。だから5年経ち10年経ちっていうのを、すごく冷静に受けとめているんじゃない? ものの成り立ちを……  ─

T: そうだな……。大体最初のレコード会社が、エレックっていう糞マイナーでさ。通信販売の会社だからさ。そこの全貌とかわかっちゃうと"何てことないや"って思うわけよ。レコード出すってことも、別に大したことでもないし……。いきなりCBSソニーじゃなかったのが良かったんじゃない。割合シビアにいろんなことが見れたっていうかね。自分のレコードを通信販売でさ、梱包とか手伝いながら"ああ、人生は風ですね"みたいなこと思って……。これは吹かれるように吹かれるしかないなって……。

─ 考えてみたら、5年ぐらい前からインデイーズ、インディーズって言われてるけど、エレックなんてインデイーズの走りだよね ─

T: 権化、権化(笑)

─ でも、自分が好きなように作って、好きなように出せてた時代だよね ─

T: でも、レコード出さなきゃ会社が潰れるって状態だからさ。これはレコードにするほどのもんじゃないって言ったって"出さなきゃお前に給料払えない”って言うんだから……。その頃、もう1枚出したら広島帰ろうかなって考えてたけどね。

─ 帰って……、どんな会社に就職決まってたの? ─

T: 河合楽器って楽器屋さん。ピアノのセールスマン。決まってたんだよ、それは…。

─ ここにいるようになっちゃったのかなあって思い始めたのっていつぐらい……?3年目ぐらい……? ─

T: そうだね。人が集まり始めた頃だね。吉田拓郎って名前で……。その頃からだね。ここにいてみようかなって……。

─ そういう意味では居心地が悪かったことってない? ─

T: 住めば都だからね。

03

My energy can't last but it can blast.

─ 考えてみたら、アーティストってよく"しばらく休みます"とか言うけど TAKUROって1回も言ってないでしょ? ─

T: ただ社長やってた時だけ……、できないからね。その時は何もやってなかったけど。

─ 自分で決まったエネルギーって、1日でも1カ月でも1年でもそうだけど、計算して使っていく方…? ─

T: もう、行き当たりばったり。 企画性ってことに関して、ゼロだもん、俺。大体企画倒れだね、物事のすべて……。

─ なるほどね ─

T: 持続力がないんだよ。 どっちかっていうと瞬発力なんだよ。

─ なるほどね(笑) ─

T: 昨年映画やったじゃない。「Ronin」を……。 俺、映画ダメだもん。ついていけないもん、あの世界には。 1コマ1コマ何回も撮り直してさ。 ああいう持続力っていうか、作業にはとてもじゃないけどついていけないね。

─ レコーディングなんか、自分でプロデュースやってる時なんか、やっぱりミックスとかあまりグチャグチャやらなかった? ─

T: やんない、やんない。 飽きちゃうんだよ、すぐ。 最初だけ……。だからなるべく早くやっちゃう。 気持ちのいい時に……。

─ ツアー中なんかの時は、大きいコンサートだと1回に集中できるけど、全国なんか行ってると同じ曲を何度も歌うじゃない…… ─

T: もう完全に飽きるよ。 コンサートやりたくないって原因はそこなんだもん。もう20カ所とか30カ所とかなるとね……、同じ歌、歌ってんだよ、毎日……。 そりゃ飽きるよ。 飽きないって奴は嘘つきだよ、絶対…。

─ だからレコード出して、それに合わせて春と秋にツアーやるとか…… ─

T: とてもじゃないよ。 若い時ならやっただろうけどさ……、今は嫌だよ。 飽きない方法論とかが見つかったら、またやるよ。

─ 他にたとえば……、今度レコード1枚作ったじゃない。 で、今、言ったみたいにツアーも
やらないと……。 そうすると、たとえば計画っていうんじゃなくて、今、自分でやりたいとって…、何が一番やりたいのかな ─

T: ないよ。 何にもない。 とにかく人から電話がかかってくるのを待ってるって状態……。

─ "何かやんないか"って…… ─ 

T: そう。 それでそれが面白そうだったらやる。 面白くなかったら丁寧に断って、また今度って……。

─ そうすると、何かやってないと不安になっちゃう奴っているじゃない? そういうところはないんだ?─

T: ない。 

─ なきゃないに越したことないね ─

T: それは人間の本質で、楽して儲かればこんな楽なことはないんだから、楽してゴロゴロしていたいよな。 で、俺、出不精だからね。 家でゴロゴロしてるの好きだから……。

─ 旅行とかも別にそんな好きじゃないんだ?─

T: 誰かが行こうとか言うのを待ってる。 常にWAITINGで、人が言ってくるのを待ってるんです。

─ 自分で好きな音楽って、どんなの好きなの?─

T: 自分のが好き。 

─ 自分のだと押し並べて好き……? ─

T: 大体俺、寝る時にヘッドホンして寝る癖があるんだけどね。 自分のLP聴きながら眠るんだよ。 俺以外のだとね……、まあヴォーカルのないもんかな。 人の声はあまり素敵に聴こえないっていうか……。

─ でも一番いいんじゃない。 そういう風に思って、やってられるっていうのはさ ─

T: まぁ幸せだよね。

─ 幸せだよね ─

T: 幸せだよ。 それは確かに……。

─ すごくね ─

T: 人から見ればアブノーマルな感じってあるけどさ。 まあ幸せな方だよ。

─ うん。 でも声っていうのを手に入れるのが、一番難しいわけじゃない?─

T: そう、そう、そう。

─ 別にギターはいくらでもうまくなれるし、太鼓も練習すればいいけど、声だけは、これは本当に……、森 進一しかりさ。 ロッド・スチュワートしかりさ。 選んでいくと何人もいないんだよね ─

T: いない。

─ やっぱり売れてる人たちは、いい意味でいい声してるんだよ ─

T: ○○○○にね。

    つづく

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サマルカンド・ブルーTAKURO - A magazine filled with essence of sexy guy - September 1986【 拓郎インタビュー ① 】

01

TAKURO - A magazine filled with essence of sexy guy - September 1986 【 拓郎インタビュー① 】

 

Alright,if you feel that way we will go for that.

アルバム サマルカンド・フルーについて

聞き手 : 立川 直樹

─ 今度は詩は全く自分では書かなかったの? ─

T: うん、詩は書いてないわ、アレンジには参加してないわ、全部お任せだからね。結局、去年つま恋をやって、終わったという言い方は変だけど、基本的に大体、ひとつ抜けたって気分だから、もうこだわらない! 言葉とか、歌い回しとか、それまでは自分の持ち味といか、いろんなものにこだわっていたし、ステイタスっていうの…、でも音楽なんて好き嫌いだからね。 嫌いな奴がいっぱいになってくれば、それはなくなるんだろうし。今度はKATOの話にのって…、去年だったかな。

─ TONOVANは一昨年ぐらいにもう、僕に“TAKUROに興味があるんだ”って言ってたけどね ─

T: 昨年一緒に飲んでて盛り上がって、やろうって決めたんだ。決めた以上は、もう任せる。 どう転ぶのかはわからないけどね。まあ、今こうしてヴォーカルを入れたりしても、大していいとは思わないんだよ。でもそれは好き嫌いだから、彼らはいいと思ってるんだし、そういういき方もあるんだろうってところかなあ。

─ でも人に任せるといっても、まあメロディーに関しては前のアルバムでも、TONOVANの曲を歌ってるけど、詩となると、いろいろとノリの問題とかであったんじゃない?

T: それは確かにある。

─ そこの部分がとても興味あるんだ ─

T: 俺は自分で言葉を作ってきた人間だろう。だからZUZUももそこのところはすごいプレッシヤーで、もう顔面神経痛になっちゃったくらいなんだ。とにかくZUZUから見れば、俺も詩人なわけ。作詞家だっていうわけよ。"そんな詩は私には書けない。でもTAKUROが歌えるようなものにはもっていきたい"と。まあ音にしても歌い方にしても言葉にしても、こうなのなって気分はあるよ。ただマニアックに俺のことを好きだって奴にやってるつもりじゃないかね。

─ 変な話だけど、デビューの仕方とか、ある種の人間的豪放さとかで、ボブ・ディランと比較されたりしてきたよね。そういう意味は、ボブ・ディランが少し甘めの路線にいったことがあったじゃない ─

T: 「セルフ・ポートレート」か。

─ そう、そう。そしてああいうような意味合いって今回あるのかな? ─

T: 全然ない! あれはまあ、ディランの挑戦だったでしょ。今回は俺、挑戦なんて何もしてないもの。何か自然の流れで"いいんじゃないの。やってみようか"というとで始まったんだよ。

─ ZUZUと詩についていろいろと話をしたの? ─

T: うん、こんな言葉は歌えないとか、こんなことは歌えないとかは言ったよ。それでも……、横文字が多いからね、あの人は。「サマルカンド・ブルー」なんて俺はどこだか知らし……、ネフェル何とかっていったって、わかんないことがいっぱいあるからさ。

─ 音はどうだったの? ─

T: リズムセクションを録ってる時は大不満! ウィリー・ウィークスだろうが何だろうがよくわかんなかったんだけど、ヴォーカルを入れたらよく聴こえるんだね。それが不思議だった。結局インストルメンタルのバックをやってない。ヴォーカルのバックをやってるってことなんだ。歌を入れたらリズムがメチャクチャよく聴こえるんだよ。

─ アンディ・ニューマークなんて典型的なドラマーだよね? ─

T: そう。歌と一緒に聴いちゃうと中々のリズムしてるんだ。驚いたな。それは新発見だね。今まではリズムの段階で気持ち悪いとイヤだったからね。流石だったよ。

─ 今まではTAKUROが全部自分でやってたんだよね。ブッカー・Tとやったのが一枚あったけど……。外に頼んだプロテューサーというのはTONOVANが2人目なわけだけど、ブッカー・Tの時もいい意味で任せるなら任せるみたいに…… ─

T: いや、あの時は口出したよ。今度だけは何も言わなかったな。歌い方だってもう、俺はこういう歌い方しないんだけどっていうのもやったもの。"まあいいや。そう思ってるんならそれでいこう"って。彼らも気持ち良く聴こえるらしいからさ。それなら彼らに任せてみようと……。

Well,I am honor student that is for sure.

─ TAKUROをそこまでさせたものって何なんだろう?ただTONOVANがいっしょにやろうと言ったからだけじゃなかったわけでしょ? ─

T: つまり俺の中では余り興味がないからなのよ。そんなにオオゴトじゃないんだよね。

─ なるほどね ─

T: KATOはオオゴトだよ。彼はもう、燃えまくってるからね。"俺はもう燃え尽きた"って。"当分、他の仕事はできない"なんて言ってたくらいにさ。

─ 確かにそうだね。"2カ月、何も他のことしてない"って昨日言ってた。"少し休みたい"って。でもTONOVANて本当に前から、会うたびに僕にTAKUROのことを話してたよ。きっと自分にないものを見出してるんだろうね ─

T: そりゃそうだよ。

─ あのセンスの良さで、サウンドとかコンセプトを彼が組み立てていった時、いざTAKUROが歌う段になると、歌う獣みたいになっちゃうんだものね ─

T: アハハ、そいつはおかしい。

─ 生き方にしても違うしね ─

T: それはもう、2人の暗黙の了解なんだけど、俺は肉食であいつは草食と、その辺でお互いに割り切ってるんだよ。

─ TONOVANて野菜、嫌いなんだけどね ─

T: そう、あいつは凄く肉を食うんだ。大飯食らいだからな。

─ でもTONOVANとは知り合って、もう随分長いでしょう? ─

T: 一番最初にあいつが来てくれたのは「結婚しようよ」の時、あいつがアレンジしてくれて、その時に松任谷とか後藤とか小原礼とかを連れてきたんだよ。皆んなアマチュアだった……。

─ その後に後藤クンたちと新六文銭て作ったんだよね ─

T: そう、ほんの少しの間ね。

─ 基本的にグループを組むのは体質に合わないのかな? ─

T: そんなことないよ。バンドやってたし、人のバックでギター弾くの好きだよ。だからデモテープに凝っちゃうもの。ほとんどアレンジの段階
で却下されるけどね。瀬尾だけよ、真面目に俺のデモ通りにやってくれるのは。

─ 瀬尾サンも長かったんだよね? ─

T: 長い!

─ そう考えると瀬尾サンもTONOVANも植物的だけど、大体回りはそのタイプになるの? ─

T: うん、タイプとしてはな。でも瀬尾は私生活も知ってるし、割と俺に近しい部分もあるんだけどな。KATOとは違うな。(ソフト・シェル・クラブを口にして)これはうまい!

─ おいしいね ─

T: こればかりはZUZUも感動したもんな。おかわりしたぐらいだもの。(EAT+DRINK)1

─ 今度のは何枚目になるの? ─

T: 知らーん。数えたこともないし……、フォーライフだけだって10枚以上はあるし、ソニーにだって、その前だってだからな。

─ 25枚くらい…… ─

T: そんなもんじゃないかなあ。2枚組とかけっこうあるし。

─ 自分で曲を書く時ってけっこう早いの? ─

T: 早いね。ホテルに入ってパアーっと書く方だからね。とにかく書きだめっていうのはやったことがないんだよ。スタッフの方から5月頃にLPを出したいってなれば"わかった。じゃ、やろう"ってことになって、詩を書いて、曲を作って……、そういう意味じゃ俺は優等生だよ。

─ 書こうと思うとできちゃうという…… ─

T: そう、そう、そう。

─ セルジュ・ゲーンズブールなんて"曲を作るのは宿題みたいなもの。明日までに2曲作れっていったら書けちゃう"と言ってて、一番早いレコードはミックスダウンも含めて6日でできたのもあるんだけど、基本的にはそのノリに近いのかな? ─

T: どうだろうねえ。まあ優等生であることは間違いない。

─ どんどん詩とかメロディーって出てくるの? ─

T: いやあ、絞り出してるよ、当人としては……。言葉の場合はやっぱり絞り出すよ。『現代詩手帖』なんか読んでさ。  

There is nothing I can do is an answer to this.

─ やっぱり物を作るっていうのは、初期のうちは蓄積してきたものがあるから、作り始めてもどんどんアイデアって出てくるじゃない。それがある時期から、段々、充電の必要性が出てくるよね。何を見ても詩になったり、メロディーが浮かんだりすると思うんだけど……。─

T: 最初のうちは稚拙な詩でもいいと思ってるわけよ。それが段々大きくなっていくと、チョイスしなくちゃならなくなってくる。昔なんか、これでいいんだという感じでバンバンやってたもの。随分言われたよね。詩が稚拙だって……。今でも稚拙だけどさ。ただ、この頃は書こうと思わないと書けない。それがつらいよ。

─ いつぐらいから、そうやってストックしてあったものがなくなったというか…… ─

T: 一番顕著なのはフォーライフの社長をやった頃だね。あの頃にすべて消えた……、失くなった。

─ 社長は何年ぐらいやってたの? ─

T: 6年ぐらい……、だった。

─ よくアーティスティックなものとビジネス的なものって両立しないと言われるんだけど、やっぱりそうだった? ─

T: 日本ではダメだろうね。基本的にあの、芸能界の環境とか、いろんなことがあるしね。それを変えたかったんだけど、それだけの力もなかったな。とりあえずフォーライフを左前から右前にするしかないと……、もうほとんど仕事のノリ。

─ つらいものがあった ─

T: ………。

─ 去年で一区切りみたいのは、何か思うところがあって言ったの? ─

T: それは別にない。でも去年で大体終わると思ったよ。今、40だろう。あれは39でやったんだけど、相当な労働をやったなあっていうところがあった。まあ、今後、やめられんだろうけどね。

─ ボクシングやプロレスもそうだけど、本当に身体が動かなくなるまで続ける人たちっているじゃない。やっぱりやっちゃうとやめられない魔力のようなものってあるんだろうね。

T: 癖かなあ……、カーッと燃えてとかいうもんじゃないだろうね。他にすることないからっていうのが正解なんじゃない。 (EAT+DRINK)

─ でも、ひとつずつの料理が、きちんと日本のノリになってるね、ここのは ─

T: そうなんだよな。だから、ふと"あれっ、日本にいるんじゃないかな"なんて気になったりするんだよ。 (EAT+DRINK)

─ ステージは、もう、やりたくないんだ? ─

T: うん。事務所はどう思ってるかわからんけどね。

Do whatever you like and make whatever you like.

─ 今までに一番早くできたレコードってどのくらいでできたの? ─

T: ライヴが一番早い!(笑)特に「LIVE'73」なんて音を録って発売までに1カ月なかったもの。

─ 一番最初に自分で作ったレコードはどれくらいで……? ─

T: あれも早かったな。2チャンネルで、御苑スタジオっていう小さな所でね。俺が広島から東京に出てきてすぐの時だった。

─ 今だと機械が発達して24チャンネル、36チャンネル、となってきたよね。70年頃から見ると、2、4、8、16…といった具合いに倍々ゲームみたいな感じもするよね。そんな中で音楽が変わっちゃった人っているじゃない。機械に負けたっていうか……。 そういう意味でTAKUROって今回も変わってないね。TONOVANがプロデュースしてもTAKUROはTAKUROだっていう……。

T: 彼も何かあると思ってるんじゃないかな。変えられないや、それだけはと……。

─ 自分でプロデュースした時に、チャンネル数がどんどん増えていった時、どんな気がした? ─

T: マジに驚異だよ。"エーッ、もっと使えるの"なんて感じさ。うまく利用してとか、そんなんじゃなくて、入れたいものが入れられる……、とにかく俺、最近のPCMとかコンピュータとかいったってわからないんだよ。

─ 最近はレコードにしてもCDとか何とかになってきてるけど、基本的には、安いプレーヤーから流れてきても、いい音楽が一番だよね。─

T: そりゃ当然だよ。でも、そんなこと言っても始まらないらしいから"本当、そうなの"なんて言ってるだけ……。今回、歌を歌ってても、よくわからないところもあるな。一昨日「サマルカンド・ブルー」をやってた時なんだけど、歌の中にバリー・マクガイヤーからジョン・レノンまで、いろいろ出てくるんだ。 ま、俺は俺でしかないんだけど、KATOやZUZUたちは聴いてて"GREAT"とか何とか言ってる。だから俺は替え歌で"何が何やらわからないけど、OK
さえ出ればそれでいい。それだけでいい”とやったんだよ。全然わからないんだ。

─ ZUZUは鳥肌が立つくらいにいいって言ってたよ ─

T: そうか。 (DRINK+EAT)

─ よく聴き手に対して、アーティスト側が、今回はこうだみたいなことってあるじやない。今回は……、そのへんのところは……?─

T: スタッフがやることじゃないの?

─ 何もない……? ─

T: この前、TAMJINに言ったのと同じだよ。勝手に追っ掛けて勝手に作れって…。

─ 40歳になってどうのこうのというようなこともよく言われるだろうけど、特別な感慨みたいなものもないの? ─

T: ないな。でもお前って本職って何なんだ?

─ 何なんだろうね。興味があることはやってるから……。─

T: 雑多にか。

─ 雑多というか、昔から興味があることはちゃんとやりたいと…… ─

T: そうか。面白いね。

─ 野球みたいなものなんだけど、センターの守備位置についてたら、レフトに飛んだ球はレフトに取らせる。そんな風にポジションみたいなことも考えてね ─

T: 面白い!俺の回りにはいなかったタイプだ。書き屋でもね。

I am not here bet to on anything.

─ でも今回のTAKUROみたいに、軽いノリでレコードを出す人っていうのも減ったね。皆んな何かプレッシャーがあったり、考え過ぎたりしてて、そう考えるとTAKUROの"適当なのよ"という一言はとても面白いよ ─

T: あたってるけど言い過ぎたっていうのかなあ…。

─ 宣伝なんかの問題なんか含めてもね ─

T: ほっといてくれ!って感じなんだよな。しばらくほっといてくれっていう……。

─ 皆んな大人になると、いわゆるオッサンみたいになっちゃうよね。でも、今、こうやって飲んでると18、9のガキがたむろしてるのと変わらないノリで……、そう考えると、今の"ほっといてくれ"っていうのは、世の中の流れからほっといてくれってところもあるの? ─

T: 深刻に考えたことはないけど、やっぱり迎合できないというか、合わせられないんだろうな。無器用なんだよ。器用に立ち回っているような振りしてるけど、無器用なんだよ。KATOも無器用だもの。それでシャイで……、個人的なんだよ。

─ ちょうど33から42、3ぐらいまでの年齢の人間に多いね ─

T: 34ぐらいかもしれないな。

─ ちょうどその6、7年ぐらいの人間がそうなんだよ ─

T: 1ドル360円ていう世代だからなあ。

─ 何だかんだ言っても、音楽とか映画とか、アメリカの影響を受けていて、それでビートルズがあってさ ─

T: ビートルズにはショックを受けたなあ。

─ あれにショックを受けなかった奴って、ほとんどいないんじゃない ─

T: そうだねぇ。でも本当にいろんな雑多な奴がいるから、人間て面白いんだよな。たニューヨークは雑多にい過ぎて困っちゃうんだけどなあ。

─ ニューヨークは今回、2回目 ─

T: うん。ただ前は3泊5日だったからねえ。それでも相当参ったね。着いた日は時差で、次の日は24時間起こされてて、半日空いてて、次の日には帰ったんだから。

─ その時は何で……? ─

T: ラジオの取材。

─ ニューヨークは好きじゃない? ─

T: うーん、どうかなあ……、好きなんだろうね。ただ今回のテンションには合わないという……。前回は合ってたもの。

─ 今回のテンションはどういう感じなの? ─

T: もう、最初からニューヨークへ来たくないというのがあったわけよ。ウイリー・ウイークスとアンディを日本に呼んでやっちゃおうよというところもあったくらいでさ。俺が随分ごねて、こっちへ来るのも遅れたくらいなんだ。それでKATOともいろいろ話したら、KATOが"とりあえず任してよ"って言うわけよ。"ゴチョゴチョ言わないで任せてよ"って言うから"わかった。行くよ"っていうことになっちゃった。だから俺が不思議だったのは、非常にスタッフの方が燃えてるっていうか"賭けてるのかな、このLPに"みたいなことも思ったよ。

─ 俺は今日こうしてTAKUROと話すまでは、TAKUROも賭けてるのかと思った ─

T: アハハハハハ! KATOが賭けてるんだよ。(笑)賭けるとか賭けないとかいう
場所に、俺はいないもの。

─ 今後はどうなるの? わからない? ─

T: わからないよね。帰ったら1曲、バンドとレコーディングしてみようかなんてアイデアはあるけどさ。

─ それは今回、TONOVANとやってみて、悪い意味じやなくて反動のようなもので…─

T: 違うよ。ニューヨークに来る前からやってみようと思ってたことだし、そんなに深刻じゃないんだよ。とにかく俺の回りって、物事が深刻になり過ぎなんだよ。

─ それはしようがないんじゃないかな。70年に登場して以来"フォークのプリンス"なんだもの。たとえばディランがラジオで何か1曲好きだって言うと、それがもう、ディランの好きな歌として紹介されてしまうみたいなところがあるんだよ。別にディランに限らず、野球でいえば10年間連続でオールスターに出場している選手や、プロレスで言えば10年間メインエベンターであり続けてるレスラーのように、もうある種の存在になってしまっているんだよ。それはもう開き直るしかしようがない。いくらドサ回りやったって、猪木は猪木でしょう。─

T: そうだな。

─ そのへんが回りは大変なんだよね。どうフォローするか ─

T: わかってんだけどさ。これまではいろいろ回りのことも考えてたんだけど、もう、さっきも言ったように、勝手にやってくれって感じだよ。 ま、そうじゃなかったら自分でプロデュースするよ。本質的には、何でも自分でわかっていたい。そういう人間なんだからさ。

─ なるほどね ─

T: それで今あるのはどうしなくてもいいんじゃないかってことなんだ。でも回りはKATOに任せたこともあって、何か確実にやろうとしてるし、相変わらずうるさく付きまとってるなって感じなんだよ。

     ─ Part 1 終わり ─

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