153-0051・ツアー・ライナーノーツ5
| 固定リンク
昨日、間違えて書いてましたね。文京公会堂とかって書いてました。あっちは、はっぴいえんど(笑)。何を考えてたんでしょうね。と言って最近は珍しくない。思ってることと話していることが違ってたりするのも日常茶飯事。自分じゃ神田共立と言ってるつもりなのに違う場所を口走ってたりするんです、って威張るな(笑)。
神田共立。久しぶりに行きました。以前、「神田共立講堂最後の日」というのを見た記憶がありますね。あれは何で「最後」だったんだろう。改修したのかな。その時は泉谷さんのライブでした。もううっすらとしか思い出せませんが、岡林さんが出たんじゃなかったかな。という話じゃありませんね。
ツアーの一環でありつつニッポン放送でやっていた番組「ラジオでナイト」のスペシャルライブ。良かったですよ。貴重なものを見た、という感じでした。神田共立、あんなに小さかったかなと思ったのは他の大きいところを見慣れたせいでしょうね。
ツアーメンバー、拓郎さん入れて10名か。ステージに載りきらないでかなり窮屈な感じ。距離も近い。表情もよく見える。穏やかで落ち着いていた、しみじみしているように見えました。色んな事を噛みしめたり味わったりしながら歌っていたんでしょうね。
基本はツアーのメニューでしたけど、ラジオ番組発のスペシャル選曲が二曲。「フォークビレッジ」のテーマと「やさしい悪魔」のボーカルバージョン、というのかな。普通は”コーラス”として紹介される”ボーカル”4人がメインのアレンジ。洗練されててかっこ良かったです。
この日のためにツアー中もリハーサルしていた、と言ってましたけど、楽しそうでした。この後、彼らと一緒にスタジオに入るという話もしてましたけど、そういうアルバムが聞けるんでしょうか。でも、”コーラス”と言わずに”ボーカル”という。同じステージに立っている人たちへの気遣いでしょうね。
でも、あのラジオ番組の功績は大きかったなあ、としみじみ思いました。ラジオ番組を一人でやる、というところから全てが始まってるわけですからね。自分でも最初はなかなか打ち解けなかった、と言ってましたけど、聞いていてもだんだん気持ちが開かれてゆくのが分かりましたもんね。
ツアーの一曲目を、とか、最後の曲を、とか、メンバー紹介の曲を考えてくれというのもありましたよね。「嫌いな曲」というリクエストはこれまでだったらありえなかったでしょう。その中で「この曲やろうか」みたいな会話もあったわけですから。
自分の詩曲のものだけにしようというのもラジオをやりながら決めた、とも言ってましたからね。一人で番組をやっている時間が、そういう「素」に目覚めさせる過程になっていったのかもしれません。実際に採用していた曲もありました。ラジオ番組から生まれたツアー。ニッポン放送、ありがとう、です。
ファイナル、打ち上げ、という解放感もあったんでしょうけど、声も出てましたし、リラックスしているようにも見えました。どう見てもこのままライブをやめてしまうとは思えなかったんですが、本人の感覚は僕らには計り知れません。またやるだろう、とか安易に思われるのも不本意なんでしょうね。
というわけで、音楽に対してどんどん純粋になってゆくように見える拓郎さん。こっから始まる、という印象を強くしたツアーであり今日のスペシャルコンサートでした。で、全然話が違うのがジャニー喜多川さんの訃報。これから業界は大変だろうな、と他人事のように思ってます。
でも、ジャニーさんの日本のポップミュージック、エンターテインメントへの貢献度はそれこそ計り知れません。アメリカ文化に追いつけ追い越せで始まった戦後の歴史が完全に終わった、という気がしました、というようなことはここで書かなくてもいいか。
曲ですね。何でしょうね。こんなに似合う曲が残ってたんだ、と思った曲。拓郎さん「私の足音」を。新バージョンでの発売を願ってます。名曲です。じゃ、おやすみなさい。
| 固定リンク
吉田拓郎 ライブでナイト 2019 in 神田共立講堂 グッズの販売について
公演当日、イベントグッズの販売を行います。
なお、グッズはご入場頂いた方を対象に販売させて頂きます。チケットをお持ちでない方はご購入頂けませんのでご了承ください。
<販売グッズ一覧>
・フェイスタオル(黒・青)…1,500円
・Tシャツ(グレー・ブラック/Mサイズ・Lサイズ)…3,500円
・扇子…1,500円
・ピンバッジ…800円
・キャップ…3,200円
※商品の価格はすべて税込みです。
※商品のデザイン・詳細についてはこちら
【チケットについて】
・本券持参なき場合は、ご入場できません。入場ご希望の際は、再度ご購入頂きます。
・未就学児童入場不可
【公演当日のご来場に際して】
・チケットにはご購入者のお名前が印字されます(ご購入時のお名前となります)。
・当日会場にてご本人確認を行いますので、身分証明書の原本(下記のうちいずれか)を必ずご持参ください。
・同行者の方は必ずご購入者と同時にご入場ください。
同時入場ができない場合はご購入者の身分証明書(下記のうちいずれか)の原本を購入者より預かり、必ずご持参ください。
・身分証明書のコピーは不可となります。原本をご持参いただけない場合は入場できませんので、ご了承ください
◇
| 固定リンク
誰に言ってるんだ。自分に言ってます(笑)。さすがに先週から続いていた一連のスケジュールが一段落して力が抜けてしまったみたいで、今朝は全く起きられず。朝食を食べてからまた午前中いっぱい寝てました。
沖縄の炎天下が結構応えてたのかもしれませんね、って、しれませんねじゃないか。答えないわけがない。東京都の気温差、10度ありましたからね。おまけに収録とライブのダブルヘッダー。どっかで来るなあと思ってたら終わってから来ました。
こっからは原稿ウイークに入るんで、若干余裕は出来ます。今日は半日、仕事場の整理をしておりました。10年前に家をリフォームした時に段ボールに入れて移動したものがそのままになってる。床に腰を下ろして段ボールと首ったけだったんで、腰が痛い。
台湾に送るCDのつもりで開けていたCDに本が一杯だったり、これまでに自分が書いた原稿や掲載誌が出て来たり。どっかにあるはずだよなあ、と思っていたものが見つかったりね。それなりに面白かったですよ。
プリンセスプリンセスの解散ツアーのツアーパンフとかね。彼女たちの現役時代最後のインタビューをやってるのが、僕なんです。その時に記念に5人にサインをしてもらった写真集が出てきたりね。色んなこと書いてたんだなあと妙に懐かしかったり。
そういう意味ではちょっぴり終活気分という感じもありました。段ボール、まだありますからね。玉手箱、とまでは行きませんけど、開けてびっくり段ボール。お楽しみはこれからだ、ということになりそうです。
そう、昨日、拓郎さんの話に終始してしまいましたけど、泉谷さん、元気だったんですよ。意気軒高は変わらない。予定時間の一時間、話しっぱなしでした。面白かったですよ。「エンタテインメントは自由でなければいけない」、熱弁でした。
お疲れ様、という言葉は、自分に向けたものというより、昨日の拓郎さんと6月30日に6時間61曲コンサートをやった泉谷さんのこともあったと思いますよ。終わってから二日は動けなかったと言ってましたからね。拓郎さんは、今日、そういう状態なんでしょうね。
6時間61曲。やりながら何を考えていたかとか、やってみてどうだったかとか色々聞いたんです。何を手にしたか、という質問に「余裕」と言ってたのが印象的でした。ぎりぎりまで行ったから、それが手に入った。それが「超えた」ということなんでしょう。
拓郎さんもブログで「次」と書いてましたもんね。泉谷さん、この夏はライブハウスツアーです。9月29日には、北九州市のミクニ・ワールドスタジアムで「阿蘇ロックフェス」を行います。泉谷さん主宰ですね。
熊本の地震や阿蘇山噴火をきっかけに始まった「熊本を元気に」というフェス。出演者や地元との交渉も自分でやっているという個人フェス。「熊本のことをもっと知ってほしい」という趣旨が県外開催になりました。
出演者、竹原ピストルとかももクロ、AK-69、シシドカフ、バラエテイに富んでます。地方都市へのこだわりは泉谷さんのライフワークでしょう。「年甲斐もなく」とは言わせない、と意気軒高でした。
という色んな意味をこめての「お疲れ様でした」であります。ということで、曲です。斉藤和義さん、「お疲れ様の国」。段ボールの中から彼がデビューした時のリリース資料が見つかりました。僕が文章を書いてました。じゃ、おやすみなさい。
◇
| 固定リンク
歌はやめない吉田拓郎 横浜でラストツアー:芸能・社会:中日スポーツ(CHUNICHI Web)
シンガー・ソングライター吉田拓郎(73)が「これが最後」と公言してスタートした3年ぶりのツアーが3日、横浜市のパシフィコ横浜国立大ホールで最終日を迎えた。10年ぶりの名古屋など7都市7公演で2万2000人を動員したライブで、ツアー活動は打ち止め。それでも拓郎は、「音楽は素晴らしいもの。やめません」と宣言。最後は「サンキュー」の言葉を残してステージから去った。
自ら作詞作曲を手掛けた曲だけを集めた。「春待つ手紙」「元気です」などのヒット曲は入っていない。が、これまでを振り返り、希望を見いだすような曲が多かった。
「スペシャルな一夜」(拓郎)は、ラストを飾る独特の雰囲気。会場には若い世代の顔も見えたが、拓郎の歌で勇気づけられた同世代の男女が熱い視線を送った。
アコースティックギターで「大いなる」「今日までそして明日から」とつないだ1曲目。いきなり大歓声が響いた。途中、フィギュアスケートの紀平梨花選手ら若い世代の活躍を見守っていることや、10代のころは体が弱く朝までコンサートをやるなんて考えられなかったことなどを面白おかしくトーク。ラジオのノリで客席を沸かせた。
「タクロー、カッコいい」の声には、「ボクは広島から出てきた時からカッコいいんです」と応じた。「いつかライブでやってみたかった」という「恋の歌」を歌った後は、「いい歌だな。こんな曲作ってたんだね、才能があったんだね」とジョーク交じりに自画自賛。「自分が今、デビュー当時に帰ったような満足感がある」と充実した心境を明かした。
最近、小田和正から誘いがあって、甘い物を食べながら語り合った際、今後のコンサートをどう考えるか話し合ったが、「結論は出なかった」。スタッフによると、今回の拓郎は体調面も含めて絶好調だったが、「楽しいけどもうおしまいにしなきゃいかんな」「ボクの中では気持ちの整理はできてる」とあっけらかんと語りかけた。
「ありがとう」の声が飛ぶと、拓郎は「こちらこそありがとう」。ライブには湿っぽさのかけらもない。アンコールを呼び掛ける声援は、怒号のような「タクロー」コールが飛び交った。
「人生を語らず」では、総立ちの観客みんなが曲に合わせてコブシを突き上げ、ともに歌うファンも。予定を20分オーバーする2時間20分。最後に拓郎は、自ら拍手しながら上手、下手、中央とそれぞれ30秒以上深々と頭を下げて、演奏が流れる中、ステージを後にした。
1972年に日本人ミュージシャンとして初めて全国ツアーを行い、次々と新しいことにチャレンジしてきたJ-POPの砕氷船のような存在の拓郎が、一つのピリオドを打った。 (本庄雅之)
◆WOWOWで特集
WOWOWプライムで3週連続で拓郎特集が放送される。8月24日午後1時、31日午後9時30分から今回のツアーのリハーサルやライブ会場の裏側、バンドメンバーとの座談会などが紹介される(無料放送)。
同31日午後8時からは、2014年のツアー最終日の東京国際フォーラムのライブをアンコール放送。9月7日午後8時から、今ツアーの6月19日公演(名古屋国際会議場センチュリーホール)の模様が放送される。
◆今回のツアーの日程
5月23日 千葉・市川市文化会館
同28日 栃木・宇都宮市民文化会館
6月4日 東京国際フォーラム
同12日 静岡・アクトシティ浜松
同19日 名古屋国際会議場センチュリーホール
同26日 埼玉・大宮ソニックシティ
7月3日 パシフィコ横浜国立大ホール
◇
| 固定リンク
いや、素晴らしかったですね。完璧という感じでした。頭の中でイメージしていた演奏や音や歌やMC、そして、コンサートの流れと全体で伝えようとしていたこと、更に、それを受け止める客席。これがやりたかった、ここに来たかった、このためにやってきた。その全部が見事に集約されてるようでした。
なぜ、自分の詩曲のものだけでやろうとしたのか、とか、なぜ、この曲を選んだのかとか、そして、なぜ、こういうアレンジにしたのか、とかね。自分で「贅肉が取れた」という言い方をしてましたけど何しろ、無駄なこと、過剰なことが全くないように思えました。
そう、全てが「吉田拓郎」だった、というんでしょうか。音楽と彼自身との距離。音楽と彼の存在が一体になっている。「吉田拓郎」という一人の人間を離れた曲というのが一曲もない。つまり、簡単に言うと「ヒット曲」というやつですね。「吉田拓郎」を離れて一人歩きしてしまっている曲が全くない。
自分の詩曲だけでやろうとしたのは、そういうことだったんでしょうね。有名な曲、誰もが聞きたがる曲、というのは、必ずしも彼自身ではないわけで、自分のため、というより聞き手のために演奏したりすることもあるでしょう。それを感じなかったんです。
「自分の歌の世界は狭い」というような言い方をしてましたけど、改めてそう思いましたね。「吉田拓郎」という人はずっと「自分の生き方」を歌ってきた人なんだ、という再認識というんでしょうか。情景がどうとか、ストーリーがどうという客観的な歌じゃない。そういうものを「歌謡曲的」と言うのかもしれません。
これも妙な言い方ですけど、「吉田拓郎」は「歌謡曲」じゃなかったということの再確認。そういう曲が並んでいたように思いました。しかも73歳になって、当時よりはるかにリアリテイや説得力を増していた歌が多かったです。
この年になって分かること。例えば、人はこの世を去って行くこともあるでしょう。書かれた時はアルバムの片隅にひっそりと入っていた曲が、今になって深い意味を持ってくる。この曲で合唱が起きるか、というものありましたしね。曲名、書いちゃっていいのかな。まだ共立講堂があるか。
そうやって生きて来た人なんだなあという感慨もありました。79年の大晦日に「古い歌は歌わない」と宣言したのも、同じような流れにあるのかなと思ったり。つまり、惰性だとか、時と共についた「垢」みたいなものとか、「不純物」的なものを引きずることを良しとしてこなかった。その集大成、みたいな気がしたんです。
さっき終わったばかりですからね、まとまりませんよ。でも、国際フォーラムの時に妙なことをごちゃごちゃ書いていた自分が恥ずかしい、という感じでした。そういう奥歯にものの挟まったような気分は全くありません。清々しいほどの納得、感動でした。
以前、国際フォーラムのことを書いた原稿、消したい(笑)。あの時もそうしようかなと思ったんですけど、書き込みがありましたからね。他の人が書いたことを消す権利は僕にはないな、と思ってそのままにしてあるんですが、笑ってやってください。「これが吉田拓郎だ」と胸を張りたい夜でした、ってお前が胸を張ってどうする(笑)。
でも、ほんとに素晴らしかったです。また機会があれば。曲ですね。「俺を許してくれ」を。年を取って行くということは、そういう後ろめたさを抱えてゆくことなのかもしれません。いい曲だなあと思いました。じゃ、おやすみなさい。
◇
| 固定リンク