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2018年5月

2018/05/29

吉田拓郎ラジオでナイト・6月17日(日)スペシャル企画発表!と新募集テーマ

58回目の放送、いかがでしたか?
さて、ここでお知らせがあります。
おしらせその① 6月17日(日)の「吉田拓郎ラジオでナイト」はスペシャル企画!
企画その① 「吉田拓郎のiPodの中身聞かせます!」
拓郎さんが、寝る前に必ず聞くというiPodに収められた曲たち。
なんと!今回、選曲の中身を公開します!
なぜ、その曲が収められているのか?
ベッドの中で、何を考えているのか?
iPodの中身、聞かせちゃいます。お楽しみに。
企画その② 「大好評!門外不出のデモテープも聞かせます!」
大好評の「デモテープ企画」は、いよいよ第3弾。
自宅で作成し、発売したCD音源並みにクオリティにこだわった
デモテープを、今回も選りすぐって、自宅から持ってきていただきます。
6月17日(日)の「吉田拓郎ラジオでナイト」!どうぞ、お聞き逃しなく!!!
おしらせその② 新しい募集テーマ!「おじいちゃん おばあちゃんの思い出」
・あなたのおじいちゃん、おばあちゃんの思い出をお寄せください。
・こどものころ、うちには、おじいちゃんやおばあちゃんがいました。
・おじいちゃん、おばあちゃんが
食べていたもの、
好きだったもの、
していたこと、
歌ってた曲、
話していたこと、
してくれたこと、
くれたもの、
どんな些細なことでもかまいません。小さな、思い出お寄せください。
・どこに住んでいたのか、どんな生活をしていたのか、あわせて書いてくださいね。
また、すでに私も「おじいちゃん、おばあちゃん」になりました、という方からは、
あわせて、「孫」についてのエピソードをお寄せください。
・おじいちゃん、おばあちゃんになってわかったこと
・こんなに違う、こどもと孫
・うちの孫自慢、ここがかわいい
・孫に望むこと、期待…
・こんな孫にびっくり!
など、こちらもお待ちしています。
◆◆◆
さて、第58回の放送でご紹介した曲は、こちらです。
◆オープニング
・ニューアルバム「T’sセレクション」(タイトル仮)情報
・拓郎さんのおすすめ映画「アルゴ」
・リクエスト、ぼくが苦手なものがきているので紹介
M1 ハバナ/カミラ・カベロ(リスナーリクエスト)
◆メール紹介
・我が家の寝室事情
・寝室で曲が作れるかなぁ
・ピロートーク
◆ベストテイク
M2 アゲイン(「LIVE2016」)/吉田拓郎

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◆マイフェイバリット
・ヘンリー王子とメーガンさんのロイヤルウェディング
・間奏の素晴らしさ
M3 スタンドバイミー/ベン・E・キング
今週の放送もお楽しみに。
◆◆◆
現在募集中のメールテーマ
◆あなたの寝室の様子おしえてください。
これまで一緒に寝ていた夫婦が、インフルエンザをきっかけに
寝場所が別室になってしまったという1通のメール。
ここから、新テーマの募集が始まりました。
お寄せいただきたいのは、
・いつまで一緒だった?
・いまでも一緒?
・寝るまでの「ひとり時間」の過ごし方
・畳部屋?シングルベッド、ダブルベッド?
・寝言、寝相(ねぞう)、トイレに起きる回数などなど
・昔といまでこんなに変わったというエピソードまで
どしどしお待ちしています。もちろん、ラジオネームでかまいません。
赤裸々な「現実」を教えてください。
◆マイベスト映画
…みなさんがすきな映画、その映画にひかれた思い出や理由をどうぞ、お聞かせください。
◆おすすめの洋楽
…「あなたのおすすめの洋楽 この一曲」を教えてください。
拓郎さんを唸らせる一曲をぜひ。
◆◆◆
番組ネット局
STVラジオ 毎週日曜22時~23時
東北放送  毎週日曜20時~21時
信越放送  毎週土曜27時~28時
南海放送  毎週土曜19時~20時
山梨放送  毎週日曜24時~25時
北日本放送 毎週土曜18時~19時
福井放送  毎週月曜19時~20時
京都放送  毎週金曜23時~24時
計8局ネット

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吉田拓郎ラジオでナイトブログ・ジャパンタクシー

青に、、紫に、ピンクに…。
街には色とりどりどりの紫陽花の花が咲く季節になりました。
いかがお過ごしでしょうか。
今回の番組のオープニングは、タクシーのお話。
最近、東京都内で見かけるタクシーで
通称’ジャパンタクシー’と呼ばれる車の話題を取り上げました。
ジャパンタクシーとはこちら。

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ロンドンタクシーにちょっと似ている、後部座席がとても広いタクシーで、
東京では、このタクシーが、いま人気です。
実際に乗ると、いままでのタクシーの後部座席にあった、真ん中の「山」が
ないので、足も広々伸ばすことができるのと天井が高い。
2020年東京オリンピック・パラリンピックで来日する外国人の方にも、
ラクチンな後部座席なのです。
放送で紹介した、拓郎さんが、ジャパンタクシーの運転手さんに伺った話とは別に、
わたしもいろいろ運転手さんにお聞きすると、
今やどのタクシー会社も、この車が欲しいのだけど、生産が追いついていないとか。
車体価格は、普通のタクシーより高いらしいのですが、燃費などの経費を考えると、
コストパフォーマンスがいいそうです。
乗車したい人が多くて、繁華街では、この車を探して乗る人も多い状況。
ジャパンタクシーの運転手さんも言ってました。
この車の運転をしていると、お客様から「売ってるの?この車」など、
質問が多いそうです。
ぜひ、「ジャパンタクシー」にご乗車の際は、
運転手さんとコミュニケーションも楽しんでみて下さい。
拓郎さんのように。
◆◆◆
さて、第57回の放送でご紹介した曲は、こちらです。
◆オープニング
・♪いきなり「真夜中のタクシー」を生歌
・わたしはこんな車に乗ってきました…
M 真夜中のタクシー/吉田拓郎
・カトリーヌ・スパークが綺麗だった
M1 ゴーカートツイスト/ジャンニ・モランディ
◆メール紹介
・ロケ現場での植木等さんとの思い出
・我が家の寝室事情
◆ベストテイク
M2 水無し川/吉田拓郎
◆マイフェイバリット
M3 シャルメーヌ/マントバーニーオーケストラ
今週の放送もお楽しみに。
◆◆◆
現在募集中のメールテーマ
◆あなたの寝室の様子おしえてください。
これまで一緒に寝ていた夫婦が、インフルエンザをきっかけに
寝場所が別室になってしまったという1通のメール。
ここから、新テーマの募集が始まりました。
お寄せいただきたいのは、
・いつまで一緒だった?
・いまでも一緒?
・寝るまでの「ひとり時間」の過ごし方
・畳部屋?シングルベッド、ダブルベッド?
・寝言、寝相(ねぞう)、トイレに起きる回数などなど
・昔といまでこんなに変わったというエピソードまで
どしどしお待ちしています。もちろん、ラジオネームでかまいません。
赤裸々な「現実」を教えてください。
◆おすすめの洋楽
…「あなたのおすすめの洋楽 この一曲」を教えてください。
拓郎さんを唸らせる一曲をぜひ。
◆◆◆
番組ネット局
STVラジオ 毎週日曜22時~23時
東北放送  毎週日曜20時~21時
信越放送  毎週土曜27時~28時
南海放送  毎週土曜19時~20時
山梨放送  毎週日曜24時~25時
北日本放送 毎週土曜18時~19時
福井放送  毎週月曜19時~20時
京都放送  毎週金曜23時~24時

 

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吉田拓郎 ラジオでナイト スペシャルウィーク・アイポッドの中身教えます&デモテープ聴かせます

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2018年06月17日 (日) 23:30~24:30

吉田拓郎 ラジオでナイト スペシャルウィーク

6月17日(日)の「吉田拓郎 ラジオでナイト」は、

またまた2大企画でお送りするスペシャルウィークです。

企画その1)吉田拓郎のアイポッドの中身、教えます!

いつも、「寝室」に入り、寝る前に音楽を聴くのが習慣の拓郎さん。

そのアイポッドには、実に多種多様な、お気に入りの音楽が入っているとか。

あの、吉田拓郎の「お気に入りの安眠音楽」は、どんな曲なのか????

なぜその曲が、選ばれたのか????

その曲を聴きながら、ベッドで何を想う、吉田拓郎???

その「中身」を公開します。

企画その2)大好評!吉田拓郎秘蔵!未公開?デモテープ聴かせます!

これまでのスペシャルウィークで、自宅から、秘蔵!、未公開?デモテープ

を公開し、大きな反響をいただきました。すごい!

なんてこった!

自宅でひとりで作ったとは思えない!

というたくさんの反響に味をしめ、今回も、これなら聞かせてもいいや!

という自信作を拓郎さんに持ってきていただき、番組で公開します。

6月17日(日)の「吉田拓郎 ラジオでナイト」をどうぞ、お楽しみに!

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2018/05/28

2018.5.27 第60回吉田拓郎ラジオでナイト ON AIR曲収録

2018.5.27 第60回吉田拓郎ラジオでナイト ON AIR曲収録

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番組HP http://www.1242.com/radio/ty/

メール ty@1242.com

吉田拓郎が「ラジオでナイト」しゃべらない話をくりひろげる番組、それが「吉田拓郎 ラジオでナイト」。これまで歌ってきた作品について、出会った仲間について、そして、今なおライブへの意欲を燃やす情熱について、マイクに向かい、ひとり語ります。

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2018/05/26

明日も楽しみニッポン放送吉田拓郎ラジオでナイト

ニッポン放送吉田拓郎ラジオでナイト

5月27日・・

アルバム最新作▽夫婦の寝室

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153-0051 書いたぞ

153-0051 書いたぞ

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5月23日佳代さんブログ・う~

5月23日佳代さんブログ  う~ん 

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2018/05/21

2018.5.20 第59回吉田拓郎ラジオでナイト ON AIR曲収録

2018.5.20 第59回吉田拓郎ラジオでナイト ON AIR曲収録

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番組HP

メール 

吉田拓郎が「ラジオでナイト」しゃべらない話をくりひろげる番組、それが「吉田拓郎 ラジオでナイト」。これまで歌ってきた作品について、出会った仲間について、そして、今なおライブへの意欲を燃やす情熱について、マイクに向かい、ひとり語ります。

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2018/05/19

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嬉しいじゃないか

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吉田拓郎ラジオでナイトブログ・エアメイル

吉田拓郎ラジオでナイトブログ・エアメイル

母の日も終わり、5月も半分が終わりました。
いかがお過ごしでしょうか。
さて、番組からいくつかのご連絡です。
ひとつめ。
最近、海外で「ラジオでナイト」を聞いていただいている方から
メールが届きます。
メールだけでなく、エアメイルも届いたりします。
もし、海外で番組を聞いていて、このブログページを見ていらっしゃる方がいたら、
ぜひ、どこの国で、どんな状況で、どんな気持ちで聞いているのか、
お便りください。お待ちしています。

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ふたつめ。
今回、マイフェイバリットで取り上げた曲は、
拓郎さんが最近知ったという、ルイス・フォンシの「デスパシート」という曲。
毎回、いろいろな楽曲を選曲中の拓郎さんですが、
リスナーの方からもヒントや情報をいただきたい!と放送でもおっしゃってます。
拓郎さん、こんな曲もありますよ、
まだ、あのアーティスト取り上げてませんね、
いま注目のアーティスト、こんな人好きじゃありません?
など、みなさんの音楽知識を駆使してリクエストをお寄せください。
最近は、和もの(邦楽)も少なくなっているので。
どしどし、リクエストや素朴な疑問など、
メールをお待ちしていまーす。
◆◆◆
さて、第56回の放送でご紹介した曲は、こちらです。
◆オープニング
母の日に考える。ママ、おかあさん、かあちゃん、母親の呼び方
M1 ストレンジャー/ビリー・ジョエル
◆メール紹介
釜めし
寝室
海外から届くメール
◆ベストテイク
M2 僕の道(「午後の天気」より)/吉田拓郎
◆マイフェイバリット
M3 デスパシート/ルイス・フォンシ
今週の放送もお楽しみに。

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2018.5.17ビリオンラジオ・「出発の歌~吉田拓郎·中津川フォークジャンボリー伝説の真相~名曲神田川の秘密」

2018.5.17ビリオンラジオ・「出発の歌~吉田拓郎·中津川フォークジャンボリー伝説の真相~名曲神田川の秘密」第3回 音楽プロデューサー牧村憲一の凄い仕事の歴史 その1

出演:島本脩二、牧村憲一、前沢達也

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2018/05/14

2018.5.20 第59回吉田拓郎ラジオでナイト ON AIR曲収録

2018.5.20 第59回吉田拓郎ラジオでナイト ON AIR曲収録

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番組HP

メール 

吉田拓郎が「ラジオでナイト」しゃべらない話をくりひろげる番組、それが「吉田拓郎 ラジオでナイト」。これまで歌ってきた作品について、出会った仲間について、そして、今なおライブへの意欲を燃やす情熱について、マイクに向かい、ひとり語ります。

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2018/05/12

ぼくの音楽人間カタログ・ 吉田拓郎編 ・ 山本コウタロー著

1984年 ぼくの音楽人間カタログ  山本コウタロー著

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吉田拓郎
■ニューミュージック界を切り拓いてきた男
拓郎の先を歩いている人が、世界に何人いるだろうか。ぼくは、この十年の拓郎を見ていて、そう思っている。 70年代の音楽シーンの中で、拓郎が切り拓いた新しい地平、新しい世界がいくつあっただろうか。70年代のあらゆる転機において、吉田拓郎が最初であった。 ぼくは、70年代の10年間、いつも、拓郎との距離の中で生きてきたといっていい。拓郎が、今何をしているかが、ある時期のぼくの指針でもあったのだから。
1970年の初めだったと思う。" 70年代を開くフォーク・ソング"ーーたしか、そんなテーマだったのではないだろうか、NHKの教育テレビで、フォークの連中がドッと出た番組があった。「若い広場」だったかもしれない。長谷川きよしや、南正人、ソルティーシュガーも出ていた。番組の構成者が、岡本おさみだった。彼はまだ作詞家としてデビューする前だった。その時に、初めて拓郎に会った。ーーこれが拓郎かーーそう思って見るくらい噂は聞いていた。広島からえらいパワーのあるフォークの人が出てきた。 そんな噂は耳に入っていた。でも、その時は話はしなかった。むこうも、「東京が何だ」 という不敵さを全身に漂わせていたし、こちらも、どこかで「こいつが」という身構え方をしていたのだろう。 71年の5月、日比谷の野音で"ウッドスモッグ"コンサートがあった。拓郎はミニ・バンドというバック・バンドを率いて参加した。その打ち合わせで、現在のユイ音楽工房 の社長・後藤由多加から新宿の飲み屋ガンバルニャンで正式に紹介され、話をした。とっつきにくいけれど、 一度腹を割ってしまえばとことん話し込む男ーーそんな印象があった。 ニッポン放送の深夜番組「オールナイト・ニッポン」の電話リクエストで、ぼくの曲と拓郎の曲が1位争いをしたことがあった。ぼくの曲は、もちろん「走れコウタロー」で、 拓郎の曲は「マークⅡ 」。デビューシングル「イメージの詩」のB面の曲だった。それまで1位だった渚ゆう子の「京都の恋」を、ぼくの「走れコウタロー」が抜き去って、その「走れコウタロー」を1週だけ破って1位の座についたのが「 マークⅡ」だった。
また会う時は オトナになっているだろう……というくだりが実にせつない青春のラブ・ソングで、ラジオで聞いていても、いい曲だなと思っていた。 ところが、ラジオのリクエストでは1位になったのに、音楽業界誌のヒットチャート には、ベスト10どころか、「マークⅡ」のマの字も見当たらない。何でこれが1位なんだろうと思いながらも、きっと、深夜放送を聞くような若者たちに相当の人気があるんだろうなと奇妙な納得をしていた。なにしろ、他の番組でも、他の雑誌でも、どこにも見ないのに、「オールナイト・ニッポン」だけは、堂々の第1位だったのだから。 このことを、後で拓郎に話したことがある。 「あれは何だったんだろう」と聞くと、拓郎は破顔一笑、「ヒマだったから、みんなでリクエストしまくってたんだよ、自分たちで」とうれしそうに披露してくれた。何のことはない、自分たちで、自分の曲を1位にしてしまったのだった。
"今だからいえる、タクローとコウタローのマル秘エピソード・その2"
まあ、こんないい方になるかどうかわからないが、実は、大ヒット曲「結婚しようよ」は、ぼくが歌うことになっていたのだ。いや、ホントなのです。 「結婚しようよ」を聞いたのは、どこかのホールの楽屋でのことだった。  「コウちゃん(拓郎は一時、ぼくをこう呼んでいた)、こんな曲できたんだ」
「いい曲だね」
「デュエットで出そうか」 
「デュエットで?」
「歌うから覚えろよ」
ボクの髪がア肩まで伸びてェ...... と、やりとりがあった。結局、デュエットの話はそれきりになってしまったが、その時、ぼくが強硬にデュエット説を主張すれば、そうなったかもしれなかった、ということであります。 「結婚しようよ」は、画期的な曲だった。 生きざまの音楽というと、イメージが堅苦しくなってしまうが、要は自分がその時に思っていることをそのまま歌うことだといっていい。「結婚しようよ」にしても、拓郎自身が"結婚したい"と思っていた気持を、そのまま歌ってしまった歌だった。 そうやって自分の気持を歌うだけの人は少なくなかったが、作品として高い完成度を持っていた、という例は、極めて少ない。拓郎は、それをやってのけてしまった。 いわゆるタレントたち、アイドル歌手たち芸能界の人たちは、”結婚“に代表される私生活の露出を極端に嫌う。「結婚しようよ」がさわやかな印象を与えたのは、旧来の芸能界が持っていた、プライバシー、という考え方を超えた、"公私一体"のさわやかさだったのではないだろうか。それが”フォーク的“だと受けとられたからこそ、拓郎に"フォークの貴公子“というキャッチ・フレーズがついたのだろう。たしかに、ロングヘアー で、ダンガリーのシャツを着て、ジーンズというスタイルは、それまでの芸能界、歌謡界とは異質だった。フォークやロック、ヒッピーたちから始まった新しいファッションに、世間の目を向けさせるだけのパワーを持っていた。 そういう意味で,、拓郎の果たした役割は本当に大きい。 たとえば、中津川のフォークジャンボリーで歌った「人間なんて」は、言葉が先行し がちだったフォークに、リズム、ビート、それにパワーをつけ加えた。事情を知らない人のために説明をすれば、拓郎はこの時、PAがとんでしまうというハプニングの中で、マイクなしで「人間なんて」を1時間ちかく叫び続ける、という前代未聞のステージを見せたのだった。 テレビに出ないというのも、既成のマス・メディアに対して、拓郎が作ったスタイルだった。岡林信康をはじめとするフォークの人たちも、ほとんどテレビには出なかった。ただヒット曲があって、頼まれて出ないのとは質が違っていた。"オレたちはテレビでやってる歌とは違う"という、いわば土俵が違っていた。「結婚しようよ」は、フォークと歌謡曲を同じ土俵で対峙させたといっていい。だからこそ、違いが鮮明になった。
「襟裳岬」にしてもそうだった。歌謡曲にフォークシンガーが曲を提供して、それが大ヒットするという例は他になかったといっていい。”スタイル“と”生きざま“だけでなく、音楽としての力を示したことでもあった。 拓郎が切り拓いたシーンは、まだ、ある。コンサートをイベントにしてしまったというのも、彼が始めたことだろう。それまでの、ホールや会館でのコンサートに対して、何万人も集めて一晩中やるという形を提示したのも、拓郎だった。75年の"つま恋"、79年の"篠島" はその最たるものだ。音楽のパワーを、世間に対しても、認知させてしまった。
自分のプロダクションを自分で作ったのも日本では最初だったかもしれない。ましてや、 レコード会社の社長になった現役のミュージシャンは、世界にアーティストが数多くいる中でもごく少数に限られるだろう。それも、現役を引退してではない。自分の音楽活動と並行させながら、なのだから。自分のできる領域のことは、ほとんどやり尽してしまった、そんな気がしている。 拓郎は負けず嫌いだ。やるとなったら、相手に勝たないと気がすまない。いいわけをするなら最初からやるなというタイプだ。だからフォーライフの社長になった時は、背広にネクタイというスタイルで社員のボーナスの査定から、銀行の役員と接待ゴルフにいくことまでやっていた。もっとも、それが決して居心地のいい場所でなかったことは、社長を やめてからの、音楽への没頭ぶりが物語っている。それでも、そうしてまで負けたくなかったのだろう。とりあえず、とことん勝負して、できるかできないかを確かめる。 以前、こんなことがあった。"拓郎とコウタローのコンサート"というコンサートをやっていた頃のことだ。あの頃は、ぼくも、拓郎と並び称されていたのだ! ぼくも拓郎も 「パック・イン・ミュージック」をやっていた関係で、二人のコンサートを定期的に開いていた。毎回ゲストを呼んで、二人がホストになるコンサートで、かぐや姫がゲストに来た時は、南こうせつと、ぼくと拓郎の三人でフォークルの真似をしたりするコンサートだった。 その"拓郎とコウタローのコンサート"を九段会館でやったことがあった。何と、その時、拓郎は一曲も歌わなかったのだ。曲の紹介やおしゃべりはやる。でも、話をするばかりで、肝心の歌の方は一曲もやらずに、「じゃあ、これでおしまいです。サヨナラ」って 引っ込んでしまった。客は"まさかこのままおわったりしないよナ“という事態が現実 になってしまったのだからおさまらない。アンコールの手拍子が嵐のように鳴り渡り、誰一人帰ろうとしない。後藤由多加が"1曲くらい歌ったらどうだ"といっても歌わない。 本当に歌わないで終わってしまった。 あとで聞いてみた。「何で、あの時、歌わなかったんだい?」と。 拓郎はこういった。 「あの時はコウタローと勝負してたんだ」 「エ!?」 思わず絶句してしまった。拓郎のいってる意味が全くわからなかった。ぼくの中に、 「拓郎と勝負してる」つもりなど全くなかったことはいうまでもない。 「コウタローは、しゃべりがうまいってみんながいうよナ。じゃオレはどれだけしゃべれるんだろうと思って、あの日はしゃべりだけでやってみたんだ。でも正直いって、オレはしゃべりではコウタローに勝てないと思った」  というのである。そして、 「オレはもう、しゃべりではナンバー1になれないことがわかったから、もう、歌わない。ステージは、あれっきりにする」 という。思わず、拓郎の顔を見て、二、三歩後ずさりしたい心境だった。 「お主、そこまで考えていたのか」 時代劇だったら、こんなセリフが出てくるところだったろう。 そうやって、そのつど、自分の中の問題に決着をつけるために勝負する、そんな男だ。 ケンカしながら勝ってきた男だといってもいい。 「結婚しようよ」の次に「旅の宿」、その次に「おきざりにした悲しみは」と、それぞれ雰囲気の違う曲をシングルにしていったのも、一種のカタのつけ方、だったのだろう。大きい相手に,異質なものを叩きつけてケンカする、そこでのパワーを自分のものにして大きくなってきた。ぼくのように、ケンカの苦手な人間には、拓郎の火花の散らし方は、まばゆいばかりだった。 昔はよく酒を飲んでケンカした。原宿のペニーレインあたりで飲んでいると、ファンの男の子がきて話しかける。「サイン下さい」などといっているうちはいい。それが「今度のLPぼく、こう思うんです」といった話になると「なに!」と、ケンカになってしまう。酔っ払って居あわせた人と殴りあいしたなんていうのは、日常茶飯事だった。きっと、 真剣に自問自答して答を出したことに関して、わかったようにいわれるのが耐えられなかったのに違いない。それだけ拓郎の方が真剣だったのかもしれない。 最近、拓郎がケンカしたという話をあまり聞かない。真剣にケンカする相手がいなくな ってしまったのかもしれない。また、拓郎の側にも、微妙な変化が起きているのかもしれない。 "時代は拓郎を体験した!!" CBSソニー時代のベスト·アルバムに、こんなキャッチ・コピーがついていた。 拓郎が老いること、それは、ぼくらの世代、ぼくらの時代が老いることを意味している。 本人が望むと望まざるとにかかわらず、そうなってしまっている。時代を築いた者の宿命といってしまえばそれまでかもしれないが、自分がやってきたことの重ささえケンカ相手にできる男だ。彼の目はまだまだ明日を見つめている。 

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ニッポン放送 5/13 第58回吉田拓郎ラジオでナイト・かあさんかあちゃん・ママ?世代で違う?呼び方

ニッポン放送 5/13 第58回吉田拓郎ラジオでナイト

かあさんかあちゃん・ママ?世代で違う?呼び方

吉田拓郎ラジオでナイト | ニッポン放送 | 2018/05/13/日 | 23:30-24:30 

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吉田拓郎ラジオでナイトブログ・興味津々?となりの寝室

吉田拓郎ラジオでナイトブログ・興味津々?となりの寝室 

ゴールデンウィーク、終わっちゃいましたね。
明日から、「月曜日かぁ」と憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれるのが、
「ラジオでナイト」!
…………ですね?
さあ、今月もよろしくお願いします。
さて、2つのお知らせです。
先日来、このブログで募集している「家族対抗!リクエスト合戦」。
もう、メールやはがきを送っていただきましたか?
あなたの家族、夫婦、同居人、別居人、故郷に住む両親などを含めて、
あなたの周りの最小(最大)単位、「家族」「夫婦」のリクエストを
まとめてリクエストしてくださいというもの。
今回、このホームページでは、放送作家K氏の
「家族対抗!リクエスト合戦」のリクエストを紹介します。
◆放送作家Kの家族のリクエスト
◎放送作家K(男性・41歳)のリクエスト
尾藤イサオ「剣の舞」
◎Kの奥様(40代)のリクエスト
King&Prince 「シンデレラガール」。(King&Princeは、ジャニーズの新星だそうです。)
◎長男(小学6年生)
小田和正 「たしかなこと」。(シブイ小学6年生だなあ…)
◎次男(小学3年生)
アフロジャック 「Do or Die (リミックス)」(大谷翔平選手の登場曲とか)
とまぁ、このように「家族」「夫婦」などの単位でリクエストください。
【応募時の注意】
・リクエストしてくれた方の、性別、年齢をご記入ください。
・選曲理由をあわせて教えてください。
そして、
採用されるか否か、どうぞご家族お揃いで、番組をお聞きください。(^^)
たくさんのメール、お葉書、お待ちしています。
💛💛💛💛💛
そして、もうひとつの新メールテーマは、「夫婦の寝室」。
これまで一緒に寝ていた夫婦が、インフルエンザをきっかけに
寝場所が別室になってしまったという1通のメール。
ここから、新テーマの募集が始まりました。
お寄せいただきたいのは、
・いつまで一緒だった?
・いまでも一緒?
・寝るまでの「ひとり時間」の過ごし方
・畳部屋?シングルベッド、ダブルベッド?
・寝言、寝相(ねぞう)、トイレに起きる回数などなど
・昔といまでこんなに変わったというエピソードまで
どしどしお待ちしています。もちろん、ラジオネームでかまいません。
赤裸々な「現実」を教えてください。

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◆◆◆
さて、第55回の放送でご紹介した曲は、こちらです。
◆オープニング
・鳥取の居酒屋の味
・喫茶店の思い出
・洋楽リクエスト
M1 レディー・ライター/ダイアー・ストレイツ
◆メール紹介
・デモテープ
・就職面接採用基準
・夫婦の寝室~吉田家の場合
◆ベストテイク
・たどり着いたらいつも雨降り/子供バンド
・たどり着いたらいつも雨降り/氷室京介(ライブバージョン)
M2 たどり着いたらいつも雨降り/モップス
◆マイフェイバリット
M3 タイム・アフター・タイム/シンディ・ローパー
今週の放送もお楽しみに。
◆◆◆
現在募集中のメールテーマ
◆おすすめの洋楽
…「あなたのおすすめの洋楽 この一曲」を教えてください。
拓郎さんを唸らせる一曲をぜひ。
◆◆◆
(ネット局のお知らせ)
おかげさまで、8局ネットに増えました。
4月からのネット局は、下記となりますので、
ニッポン放送ともどもネット各局の放送もご愛顧ください。
4月以降のネット局
STVラジオ 毎週日曜22時~23時
東北放送  毎週日曜20時~21時(曜日・時間変更)
信越放送  毎週土曜27時~28時
南海放送  毎週土曜19時~20時
(新規ネット局)
山梨放送  毎週日曜24時~25時(4月8日スタート)
北日本放送 毎週土曜18時~19時(4月7日スタート)
福井放送  毎週月曜19時~20時(4月2日スタート)
京都放送  毎週金曜23時~24時(4月6日スタート)
計8局ネット

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2018/05/07

2018.5.6 第57回吉田拓郎ラジオでナイト

2018.5.6 第57回吉田拓郎ラジオでナイト

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2018/05/06

秋元康氏とユーミンに共通するクリエイターの感覚(日刊スポーツ)

秋元康氏とユーミンに共通するクリエイターの感覚

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5日2日に還暦を迎えた作詞家の秋元康氏がホスト役を務めたNHK-FM「今日は一日“秋元康ソング”三昧2018」が3日午前9時15分から午後9時15分まで、ニュースによる2回の中断をはさみ、11時間以上も生放送された。
昨年も「ソング三昧」が放送されたが、今回は秋元氏作詞の名曲の数々をリクエストで紹介しながら、秋元氏の「人間が出てきた方が面白いと思った。以前から存じ上げている方々ですが、じっくりと話を聞きたかった。今回は『おしゃべり三昧』『お話三昧』です」との言葉通り、豪華なゲストが顔を並べた。NHKに久々の登場となるとんねるず石橋貴明・木梨憲武をはじめ、松任谷由実、久米宏氏、笑福亭鶴瓶、福山雅治、中田英寿氏、三谷幸喜氏、HKT48指原莉乃、乃木坂46白石麻衣、欅坂46長濱ねるが出演。北野武も電話で参加した。
それぞれ1時間前後のロング対談に台本はなかった。実はユーミンとの対談の際に、取材でその現場に立ち会った。秋元氏は「こういう時に聞きたいことは何だろうと考えながら、話を進めたい。どうなるか楽しみ」と話していたが、最初の質問は「サインをもらったことがありますか?」だった。ユーミンは「同じジャンルの人はめったにないけれど、(作家の)椎名誠さん、そしてポール・マッカートニー、マイケル・ジャクソンはあります」。秋元氏が「この人に会いたいという人はいないでしょ」と聞くと、ユーミンは「いない」。さらに「タイムマシンで会いに行けたら」と聞き返すと、ユーミンは「レオナルド・ダ・ヴィンチかな」と答えた。
興味深かったのは、「他の人の曲にしっとすることがあるか」という話になった時、ユーミンと秋元氏が同じ思いを抱いていることだった。「曲にしっとするというよりも、その曲を生み出した時に感じる、快感、恍惚(こうこつ)感にしっとする」という思いだった。これは並外れたクリエイターにしかない感覚なのだろう。
そして、秋元氏はあこがれだった吉田拓郎の財布を拾ったエピソードを明かした。新しく入ったマンションのエレベーターの中で拾った財布に、吉田の免許証があった。「同じマンションに吉田さんがいることは知らなかった。免許証の入った財布を拾ったことは、僕にとって衝撃だった」。
ユーミンとの対談を終えた秋元氏は「ユーミンが45年もスターで居続けられる秘密を、ちょっとだけ分かったような気がする」。6月にはテレビ放送も予定されるから、聞き逃した方には必見です。【林尚之】

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2018/05/05

ニッポン放送 5/6 第57回吉田拓郎ラジオでナイト・モップスへ提供秘話を語る!

ニッポン放送 5/6 第57回吉田拓郎ラジオでナイト

 

モップスへ提供秘話を語る!

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柳原可奈子のワンダフルナイト

日曜夜11:00 ~ 11:30

5月6日、13日 ゲスト 井上陽水

この2018年5月は、本当のワンダフルなお客様をお迎えします!
井上陽水さん!
本物です。
物まねする人じゃありません!
以前も、この番組に来てくれたんですけど...どうやら、
お気に召してくれたようで
またまた、ご出演頂きます!
陽水&可奈子の「振り切れたおしゃべり」を聞き逃さないで!

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2018/05/04

MUSIC Sketch Book最終回 吉田拓郎 1983週刊FM2.23→3.13号

MUSIC Sketch Book最終回 吉田拓郎 1983週刊FM2.23→3.13号

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◇吉田拓郎への期待 そこで何をやるかなのよ。

●今年はやりそうなんですか、野外を。

「わかんないな。去年からスタッフなんかと話しているんだけど、ただ、朝までやりゃあいいってことなのか、ただ、四年ごとだからやりゃあいいのか。そういう話になってるのよね。そういう音楽状況なのか・・・とか。篠島の時には、"やんなきゃいかん“みたいな気持ちがあったんだけどね。あの頃は、フォーライフの社長をやめたいっていう意志表示して、アーティストをやりたいってことが切実な問題としてあったからね。あの頃にくらべると必然性は少ないと思っているのよね。四年目だな、っていう理由しかないわけよ、いま。それでやるべきか、それとも、そのエネルギーを他へ持っていくべきなのか……」

●たとえ、四年目という理由でも、何かやって欲しいって気持ちはありますよ。

「まわりの人は"何かやれよ"というふうに、まず言うわけ(笑)。その言葉に乗っかって、俺はいつもやるのかい?それをやっていると、俺は、いくつになっても何かやらされるっていう・・・そのやらされるっていうのが、ちょっと釈然としない。イヴェントが終わったあと、昔みたいな満足感が残るかな、俺の方にね」

●吉田拓郎っていう人に対する期待感って、ずっとこの音楽史のなかにあるんですよ

「でも、それがイヴェントでなくてもいいんじゃないか・・・。とにかく現役で先に突っ走っていればいいってこらそのなかの一個だからね、イヴェントって」

●もうひとつの吉田拓郎への期待ってのは、歌を、アルバムを作ることでしょ。

「そう。それは大問題だよ。みんなにも言われている。去年は、2曲しかでていない。それでライブ盤ばかりでているのね。いま、そっちへエネルギーをむけるべきだって、まわりの人間は言うわけよ」

●両方できれば一番いい。

「そりゃあ、そうだ。で"両方できるよ"っていうと、ある人間は、”あんたは、イヴェントが終わったら、半年くらい休養が欲しいっていう性格の人間だ"っていうわけさ」

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◇俺たちの音楽シーンを全 部集めてやってみたいよ。

●でも、やりつづけるっていうのは、自分で、面白味を感じないと駄目でしょ。

「それは絶対にそうなのよ。自分が面白くないものを、なんでやらなきゃいけないんだっていう気持ちがあるね。わがままだからさ」

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●うん。その部分がわがままでなくちゃ、どんな仕事でも面白くやっていけないですものね。

「そう。いまね、もう少し多面的な見方をすると、このエネルギーを、ほかへ持っていくのも可能かなとも思うよ。たとえば、まったく具体性はないんだけども 音楽シーン全体が集まったようなイヴェントとかね。俺たち、最初は骨川筋衛門だったのが、最近は肉もついてきてパワーとして文化面での一個の流れというものになりつつあるという気がしてるんだよね。ある種の社会性がついてきたと」

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●僕もそう思います。ただ僕らはそう思うけれど一般的には、まだまだ外への出方がたりないんです。音楽には、ちっちゃな社会的なイメージしかない。でもほんとうは、もっと大きいと思うんです。

「そう思うよ、確かに。80年代に飛び込んだ頃は思わなかったんだ、俺も。でも去年の夏頃から、なかなかたいしたものになってきたな、って気がしているんだよね。俺よりも若い世代の人たちのなかにも、"この人たちは、もう充分大丈夫だな“みたいな満足感と安心感を与えてく れるヤツラがいる。せっかくそういう時だから、俺ひとりで"朝までやるぞ"と やるよりは、みんなで夢みたいなことを、 いままでの俺たちの音楽シーンを集めてやるみたいなことをやった方がひろがっていいなと思う。ときどき、そんな景が頭に浮んだりすると、そっちをやりたいな、と思ったりするな。音楽シーンがよくなっているよ」

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☆旅のあとで…

拓郎は、あい変わらず拓郎だった。旅の宿で飲みほしたオールド三本。ビールの数は知らない。六人の男どもは、大いに飲み、語る。この日、吉田拓郎と話したことを語るには、あまりに誌面がたりない。でも、僕らと僕らを取りまく音楽状況を話していたことは確かである。浴衣の彼は、あい変わらず前のめりで歌のなかに体ごとつかっている。湯かげんは、少し熱い。そう、 彼は状況の中で、いつも自らが発熱し、湯舟から熱い水をあふれさせていたような気がする。 男どもの体臭のする心地よい酔いのなかで、拓郎が、ぽつりと言った。
"ジョン·レノンが死んだことが、俺 にとっては、大きなショックなのよ。 彼が四十歳で死んだ。その先がないんだな。俺も四十までは、できるよ。でも、その先は、まだ見えない"
拓郎は、弱音をはいていたのではない。四十歳以後の、いまだ見えていない自分に向かって、すでに歩き始めていると言っていたのだと僕は思う。 彼は、いつも人より前を突っ走ることを運命づけられている男なのかもしれない。その期待をこめた眼ざしに、じっと勘えている彼には、司馬遼太郎が描くところの鹿児島の"お先師"のイメージがあるとも思った。
夜更けに飲み疲れて、男どもは一部屋に明日の夢を見ながら眠る。
この旅の宿で、この連載も終わる。 だけど、吉田拓郎たちが切り拓いた"僕らの時代"は、終らない。-こすぎじゅんいち-

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-カテゴリー吉田拓郎から分離独立-

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