追悼、はしだのりひこさん。 田家秀樹ブログ・新・猫の散歩
・次々、という感じですね。訃報。今日ははしだのりひこさん。今年は、ほんとにそういう悲しい知らせが多いです。遠藤賢司さんもありましたし、僕の高校時代の友人もなくなりました。どういうんでしょうねえ。みんな力尽きて終わって行く、という感じでしょうか。
・はしださん、72才。学年は二年上。何でかな、ずっと同じ年だと思い込んでました。まあ、こういう追悼文的なものは、ある意味微妙ですよね。その人のことを語りたいのか、自分のことを話したいのかどっちなんだと思うこともありますし。
・でも、思い出というのは、そういうことでしょうから、仕方ないんだとは思いますが。僕も構成者として初めて持ったラジオのレギュラー番組が彼の番組だったということが一番の思い出だったりするわけですからね。
・71年4月。文化放送の「ビューテイフル・ノンノ」という15分かな。月~金のベルト番組。週5本書いてました。ノンノ創刊の時で提供は集英社。はしださんが26才。僕は24才か。フォークル、シューベルツ、クライマックス。彼はすでにスターでした。
・大人だなあと思った記憶がありますね。毛皮を着込んで小柄なのに風格があった。忘れられないのは、食事の時間を気にして、間を何時間空けるとか、健康に気を使ってる人だったんですよ。僕らは局に寝泊まりしてるのに近い不規則な生活でしたからね。「へえ」という不思議な気がしてました。
・でも、放送作家といっても見よう見まね、いつまでそんなことしてるのか分からない。結局、その番組だけのお付き合いでしたけど、もうちょっと賢かったら、一緒に色んな事をやってるでしょうね。
・そういう意味ではフォーク系の人達は早熟だったなあと思いますよ。みんな20代そこそこで成功していた。フォークルはその筆頭でしょうし。その分、無理もしていたんでしょうね。ただ、はしださんみたいに20代から健康に気をつけていてもこうなってしまう。寿命って何なんでしょうね。
・その後、80年代の後半だ。週刊誌の座談会でご一緒したことがあるんだ。彼が子育てをして本を出したりした時ですね。僕もクレーマー生活をしていたことがあって、そういう本を出して。それで座談会になった。奇遇だなあと思いましたよ。
・その頃、札幌の空港でばったり会ったこともあるんだ。はしださんに「名刺ちょうだい、名刺」と言われたんですけど、持ってなかった。携帯もない時代ですし。ひょっとしたらもうちょっと違うお付き合いが生まれたのかなとかぼんやり思ったりしてるわけです。
・結局、自分の話をしてるね(笑)。でも、どこかで接点のあった人の人生が終わって行くというのは、となりを一緒に歩いていると思った人が倒れて動けなくなるのに似てますね。こちらの時間というベルトコンベアーは動いていて、倒れた人の姿がだんだん見えなくなって行く。生きている人は前に運ばれて行く。僕はどこまで運ばれるんだろう。
・湿っぽいねえ(笑)。違う話を書こうかと思っていたんですけど、さっき訃報を見てしまったんで、こうなりました。合掌。曲ですね。シューベルツかなフォークルかな。フォークルですね。北山作詞・はしだ作曲、「何のために」。反戦歌です。じゃ、お休みなさい。
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