田家秀樹ブログ・新・猫の散歩 : 追悼、加川良さん。
今度は加川良さんですか。69才。岡本おさみさん、かまやつひろしさん、そしてチャックベリー。次々と、という感じになってますね。まあ、人はいつか、そういう日が来るわけで、僕らも例外ではないわけですが。そういう訃報が、気持ちを重くさせるのは間違いなさそうです。
加川さんは、そんなに接点はありませんでした。70年代前半は、文化放送にべったり、朝から晩まで今したから、僕が構成していた番組のゲストに来た時の印象くらしかないんです。そんなにお話しした記憶もありません。
思い出すのは、75年かな。東京キッドブラザースのミュージカルに主演したときのことなんですね。その頃、キッドブラザースの東由多加さんとは近しくさせてもらっていて、一緒に会社を作ったこともあるんですよ。
僕の方が忙しかったり、キッドブラザーズのファナテイックなエネルギーについてつけなかったりして、一二年のお付き合いでしたけど、その中に、キッドのミュージカル「十月は黄昏の国」がありました。
主演が加川さんでした。音楽は小椋佳さん。脚本は東さんですね。ロックミュージカル。加川さんはラメの衣装を着たりして、それまでのフォークシンガーというイメージとはちょっと違う感じでした。
ロックがうまい人だなあ、という印象だったんですよ。「教訓Ⅰ」みたいな生ギターのフォークだけじゃないんだと思いました。そう、彼は「ロケンロール」と行ってたんじゃないかな。ロックンロールじゃないんだ、と思った記憶がありますね。
具体的に思い出すことは多くないですけど、存在感のある人でしたよね。どっか商業的な枠の外にいたというか。70年代の生き方、みたいなものをずっと持ち続けた人というか。そういう人の方が早死になんでしょうね。
70年代って何だったんだろうなあ、という切なさというんでしょうか。世の中は思ってもいなかった方向に変わりつつありますし。みんな幸せになれたんだろうか、とか。そういう愛おしさ、みたいなものはありますね。
今日は、東京ドームの「美空ひばり生誕80周年チャリテイライブ」。88年の最後の東京ドーム「不死鳥」コンサートを思い出しました。なくなったのは52才。若かったんだなあと妙に感慨深くなってしまいました。
というわけで、加川良さん。「十月は黄昏の国」から「海を背負えば」。詞曲は小椋佳さん。「海を背負うんだね、あの人は」という話をした記憶があります。合掌。これから、もっとこういうことが続くんでしょうね。じゃ、お休みなさい。
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