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2017/02/24

黄金の60年代・「キャンティ」とその時代③ 川添象郎・ムッシュかまやつ・ミッキー・カーチス

【 「ルノーぺちゃんこ事件の 真相を 報告します」(ムッシュ) 】
 
川添 それから例の「ルノー事件」の真相を知りたいわけよ。
 
ムッシュ  オー!「ルノー事件」の真相を、これから申し上げます(笑)。
 
川添 おまえが言うのと、ミッキーが言うのと全然違うんだから、言ってることが。
 
ムッシュ  たぶんね。
 
ミッキー  じゃあ、発端だけ、俺、言うね。俺んちにおまえから電話があったんだから。
 
ムッシュ  わかりました。どうぞ。
 
ミッキー  おまえがルノー買ったばっかりだった。それで、「アメリカ映画みたいに、屋根に
ボート乗せて六本木を走りたい」って言うんだ。
 
ムッシュ  スノコが付いてるんだよな。キャリア。
 
ミッキー  キャリアが付いて要するにカヌーかなんか逆さまにして乗せて走ってるじゃない?あれをやりたいっていうわけ、六本木で。で、俺は船を持ってたわけ。俺、競艇場から5000 円で買ってきたから。うちの庭に置いてあったわけ。それでいいから積ませてくれっていうわけ。で「俺、旅に出るけどいいよ」って言ったのよ。そしたら、俺の家の鍵とか全部持ってたの、ムッシュは。もう、みんなお互いに、うちは全部、あけっぴろげだから。勝手にうち、泊まったり、住んだりしてたから。持ってたんだろうな、きっと。それで、俺が聞いたのは、ルノーに船積んで、「シシリア」でムッシュが飯食っている間に大雨が降ったの。そしたら、ムッシュは、ルノーの屋根に、車を、要するに、乗るところを上向きにして積んでたのよ(笑)。で、大雨が降っちゃったもんだから、巨大なウォーターベッドみたいになっちゃって、水の重みでルノーが潰れちやったわけ(笑)。それで、俺に電話が掛かってきて、怒ってるわけ。「おまえのおかげで、 俺の車、潰れたぞ!」って。俺、いないんだよ、日本に。積むんなら、逆さに積めよ! よく見ろよ、映画を! 川添 普通、逆さにみんな積んでるよ、あれは。

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ミッキー そのほうが空気の抵抗もいいし。
 
ムッシュ  そうそうそう(笑)。
 
ミッキー  それで、おまえの話はどう? 近いか。
 
ムッシュ 近い!すごい近いんだけど、場所が違うって。アトランティック モータースの隣に、そのババアがやってた、そこでの話なんだよね。
 
ミッキー 「アゼリア」だか、なんとかっていう。
 
川添 なんとかいう店があって、そこでトニーと話し込んでた。
 
ムッシュ  トニーと話し込んでたの。
 
川添 トニー、赤木圭一郎。
 
ムッシュ  そしたら、そこにいる間に大雨が降ったの。俺が船底を上にして積んでればよかったのに、乗るところを上にして置いちゃった。乗せ方知らないから、中に水がたっぷり溜まっちゃつてさ。重みでルノーの天井が潰れたの(笑)。
 
川添 潰れたんだよな(笑)。
 
ムッシュ  ミッキーは、それを注意してくれなかったの。つまり、こういうふうに積めっていう注意がなかった。
 
ミッキー  そんなの知らねえよ(笑)
 
---- ムッシュは元祖「陸サーファー」だ ったんですね(笑)。でも当時は、ポードやボートの積み方も、まだよくわからない時代だった。
 
川添  そういうこと。
 
-----「ミッキーが三島由紀夫にしたUFOの話が 小説になった」(川添)
 
ミッキー  それから、三島由紀夫の最期の晩餐のとき、「キャンティ」にいたからね、俺。おまえもいたじゃん。
 
川添 俺、3日前にも会ってるしさ。いきなり親父から電話掛かってきてちよっとおまえ、仕事の俺のデスクの上の封筒持って来いって言うんで、「わかりました」って行ったら、でかい大広間で、三島さんとうちの親父と二人で、深刻な顔して話してるんだよ。俺、「持ってき ました」って言ったら、「おっ、ちょっとこっち持ってこい」って言ったのを覚 えてるんだよ、鮮明に。それから三日後に(割腹事件)やってるんだよ。三島さんが、相談しに行ったみたい。うちの親父に。
 
ミッキー  かなり計画はちゃんとしてた。
 
川添  それで前の晩に、「キャンティ」で食事してんだよ。
 
ミッキー 俺、いたんだ。
 
川添  そのときに書いたんだわ。三島さん、うち(「キャンティ」)のサイン帳あるじゃない?
 
ミッキー  そのページだけ、盗られちゃった。
 
川添  ウエイターの石井のヌーさんが、大事にしてたんだけど。最期の絶筆みたいなの。書いてるんですよ、三島さんが。 なんで三島さんとうちの親父が仲がいいのかは、俺、知らないんだよ。
 
ミッキー 年中、三島さん「キャンティ」 にいたよ。俺だって、丸々本1冊分のネタ、提供してるから。
 
川添 知ってるよ。だって、例のUFOの話かなんか。
 
ミッキー書いてる。「美しい星」だっけ?
 
川添 「美しい星」だよ。
ミッキー 後に、あれは俺からもらったネタだってことも書いてるの、三島さんは。
 
川添 そういう話をさせると、ミッキー·カーチスはやたら詳しいんだ よね。 ミッキー 中学ぐらいのときから好きだったからね。
 
川添 だからその時代に、三島さんにUFOの話なんか彼はしてて、それが小説になっちゃたりするんだけど。「キャンティ」っていうのは、そういう場でもあったわけ。
 
ミッキー  溜まり場文化。みんなが集まれるところ。いろんなやつがいるわけよ。 写真家がいたり、絵描きがいたり、物書きがいたり、医者がいたり。
 
川添 めちゃくちゃ。
 
ミッキー  ルネッサンスだよね。その中から何か生まれるんだよね。
 
【 「俺は象ちゃんのこと、大体知ってるんだよ」(ミッキー)  】
 
----- 当時の60年代の女優とか歌手とか女性陣たちの遊びとか生態は、いったいどんな風だったんでしょう?
 
ミッキー  そんなとこへハマっちゃったら、ここは大変なことになっちゃうよ。 この建物ごと修羅場になっちゃうよ。
 
ムッシュ  このへんが一番、そうだよ。
 
ミッキー  地下一階、二階、三階だもん。
 
川添  だいたい何がなんだかわかんなくなっちゃってるんだから。もう。
 
ミッキー  「人類皆兄弟」みたいな。
 
ムッシュ  そういうの、あったね。
 
ミッキー  あったね。だって「俺、二階に女待たしちゃってるんで、一階の子、ちょっと今日は頼むよ」って。
 
川添  そうそう。
 
ミッキー 「じゃあ、地下の子、どうするんだよ? あっちは頼むわ」みたいな。 一人の女の子が、テンパッちゃって、し ようがないから、じゃあこっちはおまえ、二階にいるやつをおまえって、かわりば んこ。気そらしたり。
---- どういう女性なんですか。
 
ミッキー  いやあ、それはもう今、名だたる人たちです。みんな生きてるから。
 
川添  生きてて、本人たちがたぶん怒る と思うから。言わないだけの話でね。
 
----  今著名人のタレント、女優さん。
 
ミッキー  そうですよ。
 
ムッシュ  やっぱり、名前出すっていう ことは、品格の問題だからね。
 
川添  下品だと思われたら嫌だもんね。 でも、こちらが遊んでるつもりでいて。
 
ミッキー   向こうも遊んでるつもりだか ムッシュ遊ばれてる。
 
川添  そうなんだ、けっこう。
 
ミッキー  今会うと不思議な感じだよね。なんか、仕事場でさ。「いつまでも おきれいですね」、とか何とかちょっと言ってあげないといけない。向こうは大女優になってたりするからね。
川添 俺の結婚式のときに、YMOとか、 シーナ&ロケッツとか、サンディ&ザ. サンセッツ」とか:]みんな来て、パフォー マンスやってくれたんだ。
 
ミッキー 5回目の結婚式? 4回目?
 
川添 そんなこと言われて、わかんなくなっちゃう。三回目だよ。
 
ムッシュ  へー、そんなしてる?
 
ミッキー してるよ、こいつ。ちょくち ょくしてんの。子ども、さらに増やしてるの。
 
ムッシュ  どれだかわかんない。
 
川添 忘れてるだけだよ。みんないたもん。3回目が例の林真理子の『アッコち ゃんの時代』のモデル、アッコだ よ。それで、今住んでるかみさんとの間 にできたのがこれ(生まれたてのベイビ ーの写真を見せる)。
 
ミッキー  またできたんだよ。
 
ムッシュ  うそ!
 
川添  ほんとだよ。
 
ミッキー  出来立て。先週、生まれた。
 
ムッシュ  ほんと?
 
川添 だから俺たちの仲間で一番。
 
ミッキー  増殖者!
 
ムッシュ  種馬みたいじゃないか!
 
ミッキー  種馬だよ!
 
ムッシュ  でも、エネルギーの原点だもんね。
 
ミッキー  ほんとだ。
 
川添  この写真が怖いわけよ(もう一枚の写真を見せる)。横にアッコがいるだろ。(今の奥さんの)陽子が病院から帰ってきたときに撮ってる。
 
ミッキー おまえ、この写真すごいな、おい。勢ぞろいじゃない。
 
川添  アッコが子ども連れてきたわ
 
ミッキー  いいの? こういうことして。
 
川添  いいんだって。
 
ミッキー  まあ、陽子嬉しそう。 ムッシュすごいね、それ。なんつったらしいか。
 
----- なんでそんなもてるんですか、川添 さん。
 
ミッキー  詐欺だ。 ムッシュでもすごいよね。象ちゃんは。
川添   なんで、もてるとかっていうのは
 
ミッキー  これはだけど、ほんまもんよ。 別に象ちゃんが騙したわけでもなんでもないよ、僕らと違って。これはだって、陽子 のほうが象ちゃんを探してたんだから。
 
川添 なんで知ってるの?
 
ミッキー  おれはおまえ、おまえのこと だいたい知ってるんだよ。
 
川添 危ねえなあ。僕らの仲間で、一番最後に子ども作ってるのは、今のところ、俺なわけよ。
 
ミッキー 今のとこって言ってるところがいいよな。
 
川添 今のところは。俺、企画があったの。実はね。かみさん三人で、今子ども が四人でプラスアルファみたいになって るわけ。だから、『団塊パンチ』の「象 の記憶」の最後に、いわゆる写真館で、 全員で写真撮るっていう。
 
ーーー それ、いいですね。
 
川添  それはもう、その手は古いからやめた。
 
ミッキーがハーモニカをとりだして、いくつか曲を吹き出した。皆、ブルース のような味がある。「上を向いて歩こう」も流れてくる。ミッキーが音を解析する。 Bフラットマイナーでやってんだけど Eフラットセブンズ、Eフラットセブンズ、Bマイナー。いいんだよ」 すると、ムッシュが「ワニは騒がないよ。マイナーだと騒がない。メジャーじゃないと」とフォローした。 象ちゃんは「こんな鼎談でいいのか」 といった顔をしながら、ビデオを撮って いる。 いまよりもずっと人間くさく、熱かった60年代が、三人を通して、夜空のスクリーンに映し出されていた。
 
(構成·本橋信宏)
 

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