たくろうパック③ / 伊藤友治
③
略(第3回全日本フォークジャンボリー説明)
■1971.10.7きたやまおさむパック最終回
北山 という事で吉田拓郎君が来週から木曜パックを担当なさるというわけですが。さてこれからの抱負みたいな、どういうふうなパックにしていくかだって。
拓郎 ええ、これですね、まったく皆目見当がつかないわけでして。ボクはパックインミュージックってのはあまり聞いてないんですよ、正直な話として。どんな事やってるかっていうのは知らないんですよ。たまにコータローに会って話してるんですけどね。
北山 なるようにしかならない。
拓郎 ええ、これですね、まったく皆目見当がつかないわけでして。ボクはパックインミュージックってのはあまり聞いてないんですよ、正直な話として。どんな事やってるかっていうのは知らないんですよ。たまにコータローに会って話してるんですけどね。
北山 なるようにしかならない。
拓郎 そうですね。
■『木曜パック」 拓郎の世界
10月14日午前1時。スタジオでギターを弾き語る拓郎の歌声が夜空を駆け巡った。 「初回は何を歌ったんでしょうね。私の記憶に残っていないんですよ。番組のオープニングは必ず拓郎 のギターの弾き語りで始める。そう二人で決めました。歌う曲は拓郎が選ぶんです。放送が始まる前から 弾き語りを始め、番組がスタートした時には、もう歌の途中になっている、そんな感じでやってもらいました」
番組の終了間際にはいつも同じ曲がかけられた。余り耳慣れない曲だった。
番組の終了間際にはいつも同じ曲がかけられた。余り耳慣れない曲だった。
あれは何という曲だったのですか? あれは桝田さんの趣向だったのですか?
「『避暑地の出来事』という曲です。拓郎がどうしても使って欲しい と言うので、その通りにしてい ました。なぜ、その曲なのか、特に理由は聞きませんでした」
『避暑地の出来事(原題: A Summer Place)』は59年(昭和34 )に米国で制作された映画である。スローン・ウィルソンによる同名の小説をワーナー・ブラザーズが映画化した。テーマ音楽はマックス・スタイナーが作曲した。その後パーシーフェイスのカバー曲「夏の日の恋(原題: Theme from A Summer Place) 」として発売され全米で大ヒットした。
略 (映画説明)
■自由奔放な喋りと、熱気溢れるスタジオ
拓郎の自由奔放なトークはやはり面白かった。聴取者を掴むコツをちゃんと心得ている。下積み時代に 培ったライブ公演やコンサートの経験が十分に活かされている。桝田の観る目は確かだった。案の定と言うべきか、 『拓郎パック』は直ぐに人気番組になった。 毎週、スタジオにはフォークシンガーやアーティストが入れ代わり立ち代わりゲストとしてやって来た。それが『拓郎パック』の魅力の一つでもあった。
「もちろん拓郎の人脈もありましたが、スタジオの中はいつも賑やかでしたね。みんなでフォークを盛 り上げ、パックを支えて行こうという熱気に満ち溢れていました。憶えている名前を挙げてみましょうか。 南こうせつでしょう、 RCサクセション、五輪真弓、あがた森魚・・・切りがありませんね。月に1度、最後の週だけ小室等が遊びに来ていました。彼は一足先に世に出てお金もあったんでしょうが、拓郎や井上陽水が売れる前から兄貴のように面倒を見ていました。食事代から酒代まで支払っていましたよ。拓郎や陽水は恩義を感じてか、
小室等の言うことはハイハイとよく聞いていました」
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