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2016/01/27

TBSラジオ69年の「パック」~「パック」の大改編 ②

TBSラジオ 69年の「パック」〜「パック」の大改編
木曜「北山修パック」 (3月27日〜) ②
加藤と北山の約束事
番組を始めるに当たって、加藤と北山は基本的な約束事を取り決めた。その1つ
はトークの分量と音楽 の分量のバランスを保つことである。
 
「基本的には3分喋って、3分音楽をかける。そして、また3分間だけ喋るということ
です。仮に北山君が日本のフォークについて延々と喋ってもしょうがない。まあ、
時には喋りの部分が少し延びて、5分になったとしても、それは、それで誤差の範
囲内です。その辺りの調節は北山君に任せましたが、やはり、 そういう原則に
沿ってやろうという話は、きちんとしていました」
二つ目は聴取者から寄せられる葉書の読み方についてだった。
「僕は番組の中で北山君が読む葉書は、出来るだけメッセージ性の強いものを
選ぶように心がけました。 あとは、マイクに向かってどう読むか、です 。僕は彼
に"(葉書を)書いた人に向かって読んではいけない" と言いました」
実際に「北山修パック」を聞いていた聴取者を捜し出して番組の感想を尋ね
てみた。
 
「北山さん自身が、自分というものをちゃんと持っていて、世の中の出来事に対
する自分なりの見方や 意見を率直に語っているように思えた」
「とにかく話の中身が面白かったし、番組でかかる音楽もセンスがあって良か
った」
「あの時代らしく、やや尖がった内容の投書も目立ったが、北山さんは、そういう
 
葉書に対しても逃げ ることなく堂々と正面から向き合っていた」
好意的な感想がほとんどだった。二人の狙い通りの番組作りが出来たと言え
るだろう。
フォーク論争
「北山パック」がスタートして間もなく番組の中でフォーク論争が起きた。
「プロテスト·ソング」を巡って様々な意見が寄せられた。 「もう一つの別の広場」
 
(同)にたくさんの投書が収録されている。どういう論争があったのか、一部を抜
粋して紹介する。
《 26日の放送で 「プロテスト·シンガーは売名行為だ」という批判を聞いて悲しくな
りました。それで 岡林信康さんについて私の考えている事を書いてみたい。彼の
コンサートを二回聞きました。そして芸 能人じゃなく、身近な人間、どこにでもいる
人間だと思いました。飛行場で、彼とほんの少しですが話 を 純真で内気な青年
でした。
 
    略
 
フォーク論争について、加藤に聞いてみたいと思った。
「たしかに、論争と言われるものは、あるにはありました。伊藤さんの言っている。
「投書」というのは 「もう一つの別の広場』に掲載されていたものですね?  あの本
に収録されているのは、論争と言われるものの熱が冷めた時期の投書がほとん
どなのです。本当はもっと熱かったんです。ひと口にフォークと言っても、考え方は
みな千差万別です。 300人いれば、300人とも見方や考え方が違う。どれが正しく
て、どれが正しくないなんて言えるはずがない。また、北山君の言わんとしたとこ
ろを、どれだけ正確に理解 した上で書いたものなのか、と疑問に感じたものがた
くさんあったことも事実です」
 

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