国立文楽劇場に吉田拓郎さんが浪曲を見に来られていたそうで 浪曲師・春野恵子さん - 毎日新聞
「先日、国立文楽劇場に吉田拓郎さんが浪曲を見に来られていたそうで、前からご覧になっているようです。浪曲の物語に引き込む力、浪曲師が三味線とどういうやりとりをしているかがわかってくれば、もっと浪曲の楽しさがわかってくると思います」:
今はテレビでめったに放送されないが、かつては国民的人気を誇った浪曲。春野恵子さんは、浪曲の素晴らしさを伝えることが自分の使命と、大阪で修業を重ねてきた。2006年の初舞台からまもなく10年。7月22日に地元・東京で初の独演会を開く。現代人にエンターテインメントとしての浪曲を届けることができるか。勝負の時を迎えた恵子さんに聞いた。
テレビ番組「進ぬ!電波少年」で「東大卒のケイコ先生」として注目され、ドラマなどにも出演したが、自分の道を決めあぐねていた。そんなころ、東京・浅草の浪曲定席を見て、人生を賭けようと思った。
2003年、関西浪曲界の大御所、春野百合子さんに入門し、06年初舞台。関西を拠点に「現代に十分楽しめるエンターテインメント」としての浪曲を知ってもらおうと、バーやライブハウスなど気軽に見られる会場でも浪曲を演じ、新しい浪曲ファンを開拓する一方、着実に力も付けてきた。
そして、いよいよ東京で初の独演会。「東京は小さなところでチョコチョコとはやってきました。地元でもあり、日本の中心でもある東京での活動を少しずつ増やそうと思うようになりました」
練りに練った東京進出計画かと思いきや、「実は、あんまり考えてないんです」という。「もう少し考えながら行動すべきなんでしょうが、いつも思い立ったらすぐ行動、お客さまを入れるぞ!なんです」
独演会が近づき、恵子さんは今、メールやツイッター、フェイスブックで東京の友人や知人、ファンらに来場を呼びかけている。会場を下見したところ、生の声でも十分伝わることを確認し、マイクを使わずに演じようと決めた。
最近は、お笑い芸人のサンキュータツオさんが仕掛け、若手落語家を中心に出演する「渋谷らくご(シブラク)」にも出演している。「(大阪からの)交通費を考えたら大変なんですけど、出たいですと言って。(東京で)私と同じぐらいの(芸歴の)方を、私は大阪にいるので知らないんです。シブラクなどで知り合って仲良くできれば」
東京での独演会と並行して力を入れているのが海外公演だ。「ダラス(アメリカ)で子供のころ育ち、帰国したら日本語がしゃべれなかった。自分が最初にあやつった言葉で(浪曲を)やってみたいと思っていたんです」
外国人に浪曲が通じるのか。「2011年に京都国際舞台芸術祭で演じたら、ドイツ人のパフォーマーが、字幕も出してないのに興味を持ってくれて『この芸は海外でもっとやってみたらいい』と。その時はそれほど思わなかったのですが、昨年ニューヨークで演じてみて、日本語がわからない方にも英語で浪曲を楽しんでいただけた実感がありました。海外公演では1席は字幕付きの日本語で演じるのですが、私たちが普通に海外のエンターテインメントを(原語で)楽しむように、海外の方も浪曲を楽しんでくれることを肌で感じ、気後れすることがなくなりました」
英語がわからない日本人でもビートルズが好きになるように、現代を生きる世界中の人に、三味線に合わせ「1人ミュージカル」を伝えたいという思いが、彼女の背中を後押しする。
浪曲の面白さを「聴いたことがない人」に伝えることはなかなか難しい。でも、一度聴いてもらえば、きっと好きになるはずという思いがある。
「先日、国立文楽劇場に吉田拓郎さんが浪曲を見に来られていたそうで、前からご覧になっているようです。浪曲の物語に引き込む力、浪曲師が三味線とどういうやりとりをしているかがわかってくれば、もっと浪曲の楽しさがわかってくると思います」
「第1回春野恵子の会」は7月22日(水)午後7時、東京都千代田区紀尾井町6の紀尾井小ホール。問い合わせは公演事務局(080-6196-7150)。【油井雅和、@yuimasakazu】
※春野恵子さんツイッターは@KeikoHaruno
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