サマルカンド・ブルーWild lion or unpolished diamond 対談⑤
T: 何だかんだ言っていろんな人をINVOLVEしてるけど,何か不思議なプロジェクトだなぁ。
N:異常な魅力。
z:異常であり,なおかつ贅沢。
T:贅沢度においては,上でビリー·ジョエル,横で シンディ ローパーがやってるけど,全然負けてな いね。
z:でも今回のプロジェクトがパリじゃなくてよかったし、ローマじゃなくてよかった。日本食レストランがこ んなにニューヨークにあるとは思ってなかった。
T:本当にいっぱいあるね。でも,あの日本レストラン 独特の悲しげでノスタルジックな感じってどうにか ならないのかなあ
N:それは同感だなあ。
z:やっぱりフレッシュなものを食べようと思ったら, その土地のものを食べるのが一番よねo HAMAののおひたしを食べるんなら,スピナッチサラダを 食べた方がよっぽどいいもの。
N:だけどライオンはそうは言わない。
T:ライオンはおひたしだ(笑) (it is cool to eat sushi and have conver- sation in English)
z:でもニューヨークって最高! 住みたいとは思わ ないけど。
T:ビジネスでも何でも,はっきりしているところがいいね。主張が激しいところではあるしね。
N:すごく主張はあるよね。
z:億万長者でも,ヤッピーでも,トレンディでも,ヒッ ピーでも,どこかに生きざまをおけるわけでしょう。そ してお金はあまりないけど今を生きたいという人 たちが光ってるわね。
N:日本で言うと我々と同じ"魂の世代"と呼ば れるジェネレイションの人間たちだね。
z:そういう中間層の人たちが頑張ってると生き心 地がいいわよね。
N :日本でもそういう人たちに「サマルカンド・ブルー 」を聴かせたいね。今は日本に日本語の歌を聴 きたくなくなった人ってたくさんいるんだけど,そういう人にあれを聴かせたときに……。
z:ガーンと!
N :間違いなくいくね。TONOVANが「ブロンド・オン・ブロンド」の86年版て言ったのもわかるし……。 きかたが違うもの。
T:違うところからくるでしょう。
N:いきなり脳天杭打ちみたいな世界。
T:間がないのね。
z:詩を作るときにね。もう随分前なんだけど,シルク ロードを女が車で踏破するという企画があったの。 それがある事情でパアになっちゃつて,私はシルク ロードに恨みを持ってたのね。サマルカンドっていうとシルクロードのポイントにあるわけで,終点はトルコのアンカラ。そこで当時のボーイフレンドと会う約 束もしたんだけどパアになって……。以来,私はサ マルカンドに恨みと夢を持ち続けちゃったのね。
N:そういうものが全部吐き出されちゃったパワーが あるよ。
Z : TAKUROは「サマルカンド ブルー」のアーティスティックな面というのはわからないんだけど,捕え方の中に確実なものがあるのね。私が"フォークソ ングじゃないんだから,その気になって歌ってちょう だい!"って言ったら"わかった!やってみると "そこに私は男を感じたの。
N:いい話だね。
Z:そう,いつでも女に優しい。
T:ハードボイルドなのよ。
z:そう,ハードボイルド!女に優しい。そう,あのとき,TAKUROの歌い方がコロッと変わったとき,ああ,男だなあって思った。
T:それを僕は知らない(笑)ちょうど帰ってきたら出来あがってたんだもの。
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