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2005/11/27

フォーク・ルネサンス

            FM NACK5 9月19日放送 フォーク・ルネサンス2005 ④
                PM 4:00~11:15

                  パーソナリティー 坂崎幸之助
               ゲスト      泉谷しげる編

泉谷: 新しいことをやる人間をやっぱり認めなきゃだめですよ。

坂崎: うん、そうですね。ファンていうのはやっぱりわがままだし。

泉谷: そう、保守的だし。

坂崎: よくわかります、自分がそうだったからな。でもそん時はまだ

   自分が幼なかったっていうのがあるね。

泉谷: それはある。ついていけないんだ。

坂崎: そうなんですよ。どうしちゃったんだろうって。ビートルズ

   の変化にまずついていけなかったですよ僕。

泉谷: それがわからないんだよ、みんながな。俺なんてだからタック

      スマンみんなすごいすごいって言うけど、サージェント・ペ

  パーズ以降の方が好きなんだ。

坂崎: え、あ、当時からですか?

泉谷: そう。

坂崎: じゃあやっぱり革新的なんですね。

泉谷: 革新的、うんたまたまなのかもしんないけどー、だから「こう

   でなきゃいけない」っていう人は好きじゃないのよ。なんかこう。

   こうでなきゃいけない?なんで?っていう、すごいつまんないわ

   けじゃない。そんなって、何がおもしろいかわからないじゃない、

   そんなもの。だから岡林さんで言うとはっぴいえんどとやった以降

   の方が好きだし、いやいや前のもいいですよ。

坂崎: 僕もおとなになって聞くとそうでしたね。やっぱりね中学生くらい

   だとわかんなかった。ビートルズもわかんなかった。

泉谷: だからホワイトアルバムなんか大好きだもんね。あれ一番評判

         悪いでしょ。

坂崎: そう、ばらばらで。

泉谷: ばらばらで。いや、だけど個人の才能が出ててすごいおもしろ

         いなと。

坂崎: だからそれぞれのアルバムの聞き方が違いますよね、ビート

         ルズの場合ね。ま、岡林さんもそうでしょうけど。

泉谷: だから音楽と言えど成長度にかかわってるよな。そいつのな。

坂崎: なるほど。

泉谷: だからそれはあるよ。例えばT・REXなんて、あのーやっぱり

         俺は18くらいの時はきつかったもん。聞けないのよね、買った

         はいいけど。怖いんだよまだ。まだ怖いんだ。

坂崎: はははは、それわかる、怖い(笑)

泉谷: そうそうそうそうなんだかよくわかんないんだ。(笑)

   理解できない自分が怖いんだ。(笑)聞いちゃった時に「ありゃ

        りゃりゃ~」と思うのが嫌だから。怖いから聞かないわけ。

       だから封を開けないわけ。(笑)3年ぐらいさぁ寝かしとくわけ。

      で、聞き頃になると「かっこいい~」と思うわけさ。(笑)

坂崎: あー俺でもあれがそうでしたよ、プログレがそうだった。

泉谷: おぅそうそうそう。

坂崎: EL&Pとか、イエスとかねぇそうだった。

泉谷: そうそう。だからやっぱり時代の最先端てぇのは新しい事、

         どんどんやってるわけじゃない。そうそう。

坂崎: そうそう、サディスティック・ミカ・バンドの加藤さんがね、

         あのスーパーガスってアルパム、ソロで出して、で、いき

        なりサイクリング・ブギ、僕ついて行けなかったです。なん

        だろうって。加藤さんどうしちゃったんだろうって。♪赤い

        チェックのシャツをなびかせきょうも銀座の街角~、なん

        だろう古臭い音楽やってんなぁって思って。

        そしたらそれが新しかったですね。

泉谷: あたらしかったんですよ。

坂崎: その後ダウンタウン・ブギ・ウギ・バンド出たりとか。

泉谷: そうです。

坂崎: フィフティーズが復活したというか。

泉谷: だから加藤さん、あれ結局T・REXから来てんですよ。

坂崎: T・REX、そうですよね。

泉谷: だからあの一番最初そのサイクリングブギをうちで聞かせ

         てもらった時に「泉谷、これだよ」って持ってきたのが「電気

         の武者」って帯に書いてあるんだ。「なんだ?」、それが

         T・REXだったの。

坂崎: はははは。

泉谷: 電気の武者だよ。

坂崎: 電気の武者、なんだ。すごいですね。(笑)

泉谷: すごいな。「お前、いまこれ聞かなきゃだめだ」って。あ、あ、

         そうなんですか。「どうだ、泉谷」って言うから、坂崎と同じで、

         「サイクリングブギ?なんだこりゃ」って一瞬思ったよ「なんだ

          これ」って思ったんだけど「先輩かっこいいです」とか言って、

         ははは。

坂崎: でもそれですぐ、すぐっていうかいっしょに。

泉谷: ええ、もちろんもちろん。

坂崎: ま、泉谷さんに関して僕が一番ぶっ飛んだのはストリート・

         ファイティング・マンですから。

泉谷: あれはもう客を失いましたからね。♪「電光石火に銀の靴」

         を唄う

    ・・・ 一部略 ・・・

坂崎: なんかテレビで見たんですよ、泉谷さんがバンジョー弾いて、

         入江君と。

泉谷: そうです。フジテレビのスタジオですよ。

坂崎: なんだこの人達。泉谷さんどうしちゃったの、バンジョー弾い

         てるぞって。

泉谷: そうですよ、あの一曲しかできないです。あれ一曲しかで

         きない。

坂崎: あのインパクトがすっごい強くて。

泉谷: うん、だからやっぱりあのー。

坂崎: ファンを失った。(笑)

泉谷: 失いましたね。(笑)

坂崎: 保守的ですからしょうがない。(笑)

泉谷: 保守的ですから、だからあのーやはり自分にいろいろ期待

         しておきながら結局、保守的なものしか求めないんだったら

        やってもしょうがないなっていう気になりますよね。ばかばか

        しくなるじゃん。

   それだったらさ定例音楽会のお客さんの拍手がね、やって

       りゃいいんだよそんなものは。な、新しいかっこうもしなきゃい

       いんだよ。やっぱり俺は客失うぐらいのことやれっつうの。

坂崎: たしかにそうですね、コンサートもヒットメドレーみたいなの

        だけになっちゃいますよね。

泉谷: だってさぁ、演歌とどこが違うのって俺、思っちゃうわけさ。

坂崎: やっぱりでもあれですね、さっき泉谷さんが言った昔の方々

        ってのは新曲をねライブで最初に聞かせる。

泉谷: そうです。

坂崎: これはやっぱり最近あんまりないですもんね。

泉谷: ないです。 新曲怖がるよね。

坂崎: 怖いですね。 確かに、客の反応が。

泉谷: そうですよね。だからいかにお客側にしか向いて歌ってない

       かって事ですよ。 やっぱりあの、スーパースターなんか見て

       みると自分達のステージに集中してますよね。 お前らの器

       量試してるようなもんだよね。 「で、わかんの、これ」ってさ。 

       生意気だよね。

   「俺のこの曲わかんのかー」みたいなさー。(笑)

   「わかってみやがれー」みたいな。(笑)こういうね、はっぴい

        えんどもそうだったしそれがあったのよ。 「わかるものなら

        わかってみやがれー」みたいな。(笑)

坂崎: かっこいいー。(笑)

泉谷: かっこいいじゃないですかそれー。 ねぇー。 だからそうい

        う大人、先輩達に私は憧れちゃったっていう事もあるわ

        なー。

坂崎: 最近でも泉谷さんステージよりもドラマの方が多いんで

        すか?

泉谷: そうなんだよ、だからねこの間ねちょこっとイベント出た

        ら「てめぇーなんでやんないんだ」って怒られたけどさー。

       そう、客が怒りだしたんだけど「やんねぇんだったってお

        前らのためにやってんじゃねーんだ」って言って。 俺、

        自分のためにやってんだけどさ。

   「俺がいつやろうが大きなお世話だばか」っつって。(笑)

   もう客と喧嘩してんの。(笑)

坂崎: それは昔っから変わんない。(笑)

泉谷: 変わらないですね。(笑)

坂崎: そうそう、開演時間になると「早く出て来い」っていうのも

         珍しいですよね。

泉谷: そう未だに凄いんですもんね、それはありがたいんだけど、

        ありがたいんだけどいい気になってるよな、あいつら。

坂崎: あれでも一つの儀式ですよね。(笑)

泉谷: 儀式だね。(笑)

坂崎: お互いの。(笑)

泉谷: だからさーこの間、ひさしぶりにやったらさ、いやー1、2曲

        歌ったら自分に感動しちゃって、「もういい」。満足しちゃっ

       て「帰るは」。

   「偉いだろお前ら」って言ってさ。(笑)「1、2曲歌ったんだぞ

       俺は」と。(笑)

坂崎: 自分で感激しちゃって。(笑)

泉谷: 自分で感激しちゃって「もう帰る」って。(笑) 「ばかやろー」

   とかもう。で結局2時間半もやってしまって落ち込んじゃった

      よ。

坂崎: はは、落ち込まないでもいいじゃないですか。

泉谷: 2時間半もやっちゃったんだ、のっちゃったんだよ。(笑)

   のっちゃった自分が悔しい。(笑)

坂崎: ははは、なるほどーのせられたのかもしんない。(笑)

泉谷: のせられたのすっっっごい悔しい。(笑)

   俺は人をのせるためにやってんだからー。(笑)

坂崎: ひーひー、さっきのと全然違うじゃん泉谷さん。(笑)

   「わかってみやがれ」と全然違うー。(笑)

泉谷: 客にのせられて「しまったー」と思ったな。落ち込んだなー。

坂崎: ひーひー。(笑) 自分の理想像とは違って。(笑)

泉谷: あー俺、もうやんない。 もう引退する。(笑)

   もうやだ、もうやだ。(笑)

坂崎: ぜひやって欲しいですね。

泉谷: いやいやいやー来年はなんとか増やすためにここんとこ

        1、2年ねドラマがちょっと続きすぎたんで。

坂崎: そうですよね。

泉谷: 欲求不満かなぁ。 うーんだから来年なんとかがんばりま

        すよ。

   ぜひぜひ、やりますよしょうがないから。

坂崎: 音楽やりましょうよ。音楽家としては。(笑)

泉谷: そうだねやはり音楽がなけりぁこういうふうにはなってな

        いからねぇー。 

坂崎: どうですかデビューした時の最初の泉谷しげる登場、が

       出た時にここまで56ですか今・・・

泉谷: 考えてないですよ。

坂崎: どんな未来を考えてました?

泉谷: 未来もなにも当時ジミヘンからジャニス・ジョプリンから

        レノンも含めてそうだけどやっぱり当時のロックは早死

       ですよ。

   26越えたら死ね!(笑)みたいな。(笑)

坂崎: はははは。 思ってた。自分でも思ってました?

泉谷: まったく思ってた。 みんな思ってた。

坂崎: じゃあもうガンガンに華を咲かして・・

泉谷: 死ぬ。

坂崎: あー、やっぱそうだったんだ。

泉谷: そう。それがもうどれほどかっこいいことかっていう。憧れ

        てたから生き延びちゃって自分が。 すっごい後悔してん

         の。

坂崎: 後悔しないでください。(笑)

泉谷: ものすごい最初、落ち込みましたよ。 あー、28なっちゃ

         った!

    みたいな。(笑) 俺ん中の26はどこ行った?みたいな

        さー。(笑)

坂崎: じゃあ30とか言ったら大変?

泉谷: もう、もう引退。

坂崎: ひひひ、してないし。(笑) こうなったらもう70、80まで。

泉谷: いや、だからもうねー。

坂崎: ムッシュを目指して。(笑)

泉谷: あえてやろうかなと思うのね。 かっこ悪い事も逆にかっこい

         いんじゃないかと。

坂崎: 今度のアルバムタイトルにいいんじゃないですか。「かっこ

       悪いことはなんてかっこいいんだろう」って。(笑)

泉谷: そうそうそう。 という風にしてやろうかなと、いう気にこの

        間なりましたね。(笑)

坂崎: この間!?(笑) 最近じゃないですか。(笑)

泉谷: はは、最近なんだけど。(笑)

坂崎: ぜひぜひまた、歌いましょうよ。

泉谷: がんばりますよ。

坂崎: じゃあ春夏秋冬、お別れに。

  
           ( 泉谷編・終 )

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受信: 2005/12/06 07:23

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