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2005/09/16

NACK5 J-POP MAGAZINE ( 5 )

'05 8月27日(土)FM NACK5 J-POP MAGAZINE

     【 吉田拓郎インタビュー・後編 ② 】

      
   ♪ ああ青春(一瞬の夏より)

田家: あのお聞きいただいているのはですね去年のツアーの中の抜

   粋曲をまとめた「一瞬の夏」というアルバムの中の「ああ青

   春」。去年のツアーこれから始まったんですけど1975年のつ

   ま恋のね1曲目、これだったんだよ。

アシスタント: よく覚えてますね。(笑)

田家: 覚えてますよ。いましたからねぇ、もう「朝までやるよー」

   「朝まで歌うよー」っていうね拓郎さんのセリフがですね

   今でも目に焼き付いてます。セリフが焼きつくか?セリフ

   もまとめて光景として焼き付いてます。本当にね武道館コ

   ンサートですらね、もう一大事だった時代に6万人とか7万

   人とか呼ばれていて初めてのオールナイトイベントですよ

   日本で。誰もね誰もそういう経験なくてノウハウも無くて

   みんな手さぐり。そう、で夜明けまで歌ったの。もうあの

   僕ははっきり言いますがこのイベントが無かったらこんな

   仕事してない。

アシスタント: ヘぇ~、じゃほんときっかけと言うか。

田家: いやー音楽ってすごい、鳥肌立ってね明け方でね「人間な

   んて」を5万人6万人が歌ってんのを見ながらね、僕ひざが

   がたがた震えてたんですよ。これは何だ、と思ったの鳥肌

   立って。だぁー話ながら今鳥肌立った。(笑)

   うん、これをまたやるんだ。嬉しいなぁ~俺。

    ・・・ 略 ・・・

田家: そうやって考えると60代の迎え方、だって60なんて数字が

   出てくること自体が、まあ想像できなかった事ですけど。

   そんな悪い迎え方ではないって事ですよね。

拓郎: どうかなぁ~、あんまり気持ち良くないよ。あんまり気持

   ち良くないし幸せではないな。(笑)ないけどねぇ~。

   仕方ないもん。仕方ないんだもんねぇ。これやっぱり嘘つ

   くわけにいかないもんねぇ。

   いやじつは42です、なんて言ったってだめだしね。

   仕方ないんだけどねぇ、もう気持ちは良くないっすよ、た

   だ救いは周りのみんなもいっしょになっていっちゃってる

   から、(笑)あのみんな例えば今、バンドね、今僕のバン

   ド瀬尾さんもそうだしドラムの島村さんベースの富倉みん

   な50代中盤から後半という感じのミュージシャンが集まっ

   て、みんな異常って言っていいと思うけど若い、でしょ。

   そういう時代でしょ、だからその分だけ救われてるけど。

   現実はやっぱり60前だから、あんまり幸せだとは言えない

   ね。(笑)

田家: まあこれからそういう意味では50代60代になっていくミュ

   -ジシャンがどんどんどんどん増えてくるわけで、最初の

   扉を開けるわけですよね。

拓郎: そうですね嫌ですけど。はい。

田家: この先どんな道が待ってるんでしょうね。

拓郎: あぁ、ねぇ、どうなんだろうね。ただもう今の感じで言う

   とさっき一番最初に話したんだけど、もう来年のイベント、

   その先を考えてもうバンド組もうとしてるしね。

   だからなんかねそういう事を一個一個テーマを持ってやっ

   てるうちに時間とか経っていくわけでしょ。それに素直に

   なっていくしかないんじゃないかな。

田家: そんなに身構えたり気負ったりしないで。

拓郎: うん、もうそれじゃないんじゃないかな。

   できる事のベストを尽くそうと言うのがあるよね。だから

   夢はまだいろいろあってね、こんな事がやってみたい、例

   えばコンサートツアーも中ホール小ホール規模のやつをた

   くさんやりたいという話はしてるんですよ。

   だから本数は多くて多くの人に見てもらえるような。大き

   いコンサートっていうのはそんなにあまり考えないんだな

   今やりたい事の一つとして言うと。中、小規模のコンサー

   トホールとか会場で数多くやれるバンドっていうのをね、

   作ろうとしてるんですけどね。それがまあ来年以降のテー

   マなんですけどね。イベント以外では。

田家: でもそういう意味では夢はあるわけですよね。

拓郎: そういう夢はあるんですよ。こんなコンサートツアー組め

   たらいいな、てのは思ってるんですけどね。

田家: でもそれだけ来年、来年、その先もやりたいっていうふう

   になってたのって今まであまりなかったんじゃないですか。

拓郎: うーんそうね。音楽好きじゃない時期もいろいろあったし。

   歌いたくない時期もあったし、それ率直にあったしね自分

   で。だからそういう意味で言うとプロフェッショナルとい

   えないのかも知れないんだけど非常に自分でこうめんどく

   さいっていう時があったりして。今、なんかもうちょいや

   りたいっていう感じが強いのかなぁ、もしかしたら。

   やっぱりこのある程度年齢は、逆にこう年とったっていう

   かそういう事によって、むしろ何かこう音楽がシンプルに

   なっちゃうって事になってるね。だからあんまりあれこれ

   考えないで歌う事が先決だっていう感じはありますね。

田家: 俺は音楽好きなんだ、とか歌うのが楽しいんだっていう。

拓郎: そうですよねぇ。歌ってんのが一番楽しいっていうか幸せ

   だっていうような事が非常にこうシンプルにね、先にあり

   ますね。いろんな事の先に。

田家: あの、倒れるまで歌うぞ、とかその死ぬまで歌うっていう

   ような気負い方ではなくって。

拓郎: そうそう、そうですね。

田家: でもまあそうなってもいいやっていう・・

拓郎: 今やってる事がどこまで続けられるかってのは、そういう

   事なんだよね。だから続けられる所までベストを尽くして

   頑張れるだけ、でいっしょに頑張れるバンドを今、作って

   音楽をいっしょにやりたいなって思ってるんですけどね。

   だからなんか今、そういう気持ちの「歌う人」なんかもね

   声かけて、バンドは俺達がいるからいつでも演奏してあげ

   るよ、っていう歌手募集なんでね。

田家: あ、なるほどね。

拓郎: だからね今年は誰それさんと誰それさんをいっしょに連れ

   てまわる。来年はまたB子さんとかA男さんを入れて、とか

   いう事をね企画してんですよ。

田家: へぇ~。

拓郎: ヴォーカリストはいくらでも呼んで来ていいと思ってるん

   ですよ、このバンドに。

田家: はぁ~、演奏してあげるよ。

拓郎: いくらでも演奏するから、そんだけの面子は揃えるからち

   ゃんとバンドで。それで歌いたいんだけど歌うチャンスな

   い、あるいは歌うバンドがいない、今ちょっとコンサート

   休んでるとか、なんかそういう人にすぐ声かけて、ねぇね

   ぇちょっといっしょに歌おうって。

田家: その時にはじゃあ拓郎さんの歌だけではなく・・

拓郎: もちろん。その人の持ち歌とかをいっしょにやれたらいい

   な。

田家: それは新しい企画ですね。

拓郎: うん何か僕らもほら喜びが欲しいから、単に僕の歌ばっか

   りとかいうんじゃなくて、僕も演奏したいじゃない前から

   言ってるけど。後ろにまわってギター弾きたい夢があるか

   ら。じゃあまぁあの沢田研二に声かけて、おぉ、いっしょ

   に歌わない?って。ジュリーの曲を俺達が演奏してジュリ

   -が歌ってるバンドになるんです、その時は。

田家: ゴールデン60'Sというバンド名がいいです、なんて。

拓郎: バンド名ね。なんかそういうような夢をね。

田家: ええそういうですねこれから先の事ももう既に見えていて

   常に先の夢も見ていて、で明日ですね。50代最後の広島公

   演というのがツアーの初日として始まります。

拓郎: そうか、広島なんだよね。やれやれ、(笑)広島が初日で

   すか。誰が考えたんだかな。

田家: という事でツアーもですね楽しみに皆さんもして頂けると

   思いますが。

拓郎: はい、あのぜひ楽しみにしてもらいたいと思います。絶対

   に素敵なステージですから。はい。

田家: はい。ありがとうございました。

拓郎: (力いっぱい)ありがとうございました!

     ♪ いつも見ていたヒロシマ

田家: えー拓郎さんは85年にもつま恋でオールナイトイベントや

   っていて、これはかぐや姫といっしょではないんですが。

   お聞きいただいているのは、その時のライブアルバムの

   中で歌われている「いつも見ていたヒロシマ」という曲

   です。

   でも前向きでしょ。

アシスタント: うんすごく前向き。

田家: あのねその85年にこういうイベントやって90年代入って

   からね、もう音楽やんないっていうような空気になって

   た事があるんですよ。もう歌やること全部やっちゃった

   、もう歌う事ないやっていう。まあさっき言ってたのは

   そういう事なんですが今またね、違うところにいますね。

   夢がまだまだいっぱいあるんだよ。

アシスタント: ね、ジュリーさんとのコラボレーションも見れ

   るかもしんない。(笑)

田家: まあやっぱりねそうやってシンプルになって好きな事が

   見えてくるっていう年のとりかたもいいな、って思った

   りします。

        
           【 終 】

       インタビュアー・パーソナリティー  田家秀樹

         アシスタント       横田佳織

              FM NACK5

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