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2005/05/04

( 34 ) 拓郎「生い立ち」を語る

拓郎: は、我に返ったりしておりますが、あれですね、今、小室さんとかね武田さんから始まって、僕って結構ね友達が多い人ですね。 それで今、考えてみると音楽やってる人に限らずね、僕は特殊だったみたいですよ、存在が。
あのね、それは結局、才能とかなんとかではなくて、やっぱり範例がなかったせいかね。例えばきょうお昼にかけたアイドルの人とかね、曲を頼みに来た人とかね、そういう人も含めて、ザ・芸能界っていう人達から、フォークソングって言ってる人達から、ロックって言ってる人達から、俳優って言ってる人達から結構ね、浅く広く付き合いがありますね、僕自分で、不思議に。だから例えば、そうですね、小室等さんていう人の知り合いって割と僕の知ってる限りで著名な方でも、どっちかって言えば知的著名人。僕の知ってる方はどっちかって言うとザ・芸能界っていう付き合いだなっていうのがね、今、ふとね。(笑)考えてみれば井上陽水っていう人も、僕達とフォーライフを作ったっていう話がありましたが、仲が良いようなもんの、考えてみれば向こうも知的著名人が好きだなぁっていう。
結局ねぇ僕達は、なんか著名なヤツが好きなんですね。
アナ: はいぃぃ。
拓郎: 多分ねぇ、この年代の人達っていうのはね、わりと有名な人に弱い・・・(笑)
アナ: 弱い?
拓郎: その、スターが好きだったっていうのは結構納得できると思うのね。なんかね、例えば音楽っていうものがわりと、高い次元に無くて、自分達がやってるせいもあるから、ま、正直に自分で卑下して、「音楽なんかやってるもんで」っていう感じが、多少あって、本を書いてる人なんかに会うと、「いや~どうも」、なんていう感じがあってねぇ、すり寄っていく感じがねぇ、あります正直言って。(笑)
漫画を描いてる黒鉄ヒロシさんって人は古いお付き合いなんですが、漫画を描いてるって言ってもやっぱりなんか作家の先生っていうイメージがあって、あの人とお近づきになりたいと思ったのは僕の方ですから。で、なんか会ってから、なんだ~黒鉄さん、ていう感じはあるけども、依然として黒鉄さんは僕のことを「キミねぇ」って言ってるし、僕は「黒鉄さ~ん」みたいな感じだし。
アナ: えぇ。(笑)
 
拓郎: これ、なんでしょうねぇ。あの、知的な人もアホな感じの人も全部含めて、有名な人の前へ出ると、実は僕も有名人のくせに、モロい・・・(笑)モロいんですよ。うんだから僕はね、徒然考えるに失敗してるなぁと思うのが1つあって、女性ですね。(笑)僕は女性を選ぶ時に、著名な人を選んでるな、と思ってるわけどっかで。 これもずっとガキの頃からの、なんか有名な人に 弱いっていうところがあってね。失敗してるなっていうのは、なんで普通の、普通のっていうのは失礼だけど、その辺歩いてる人と結婚しないんだろうっていうのがね、やっぱり大テーマ
だなって、今、自分の生い立ちとかも自分で振り返りながらね、曲なんかも聴きながら。
ま、確かに楽しかったですよ、ザ・芸能界との付き合いってのは。おもしろかったですけど、家庭っていうのは、そうじゃない方が良かったっていうのが・・ま、もちろん今の奥さんには聞かせられませんけどね、こんなのは。 でも、思いますね。だからあのガキの頃の、スター好き、芸能人好き、有名人に弱いっていうのが、歳とってきてからも悪い方向にね、働いてる気がしますね。
アナ: へぇ~。
拓郎: でも結構僕としてはネックになった部分ではあるんだけど、ネックであって、ある意味じゃすごく人生のマイナスっていうか
   、そんな気がしますね、今、フッと・・・
アナ: あの、すごく甘えん坊なんじゃないんですか?
拓郎: 僕だってほら、女系家族で・・
アナ: そうですよねぇ。
拓郎: 僕んちって、話しましょうか、凄いんですよ。例えばね、鹿児島生まれですけどね、うちの親父って鹿児島男児なんです、西郷隆盛みたいな人で、もうほんと朝は7時頃起きて、乾布摩擦とか冷水摩擦とかやる薩摩男児なんですよ。夜は薩摩焼酎飲んでクイっと寝るっていう。で、おふくろさんは鹿児島の人じゃなくて、どこかいいとこの
お嬢さんだったんです。当時同志社なんか出てるっていう凄い人なんですが、良家のお嬢さんが薩摩男児の所に嫁いでるから決してうまくいかない。で、別居しちゃったんですよ、ある時。で僕も姉貴も、おばあゃんまでがお母さんを選んじゃったの。親父は鹿児島に残って、おふくろは広島に引越しちゃったんですよ。俺も姉貴もおばあちゃんも女3人と僕1人が、お母さんについて行ったんです。そっから女だけの生活でしょ。すると女どもは何を求めるかっていうと、お父さんの代わりも求めるし、末っ子である可愛い拓ちゃんも求めるし、いろんな事、求めるわけ。すると僕は自分でも気持ちが歪んでいってね、一筋縄じゃないっていうか、女系に育った特殊な感じがね、出てきて。
多分おばあちゃん子だったし、お母ちゃん子だったし、お姉ちゃん子だったんでしょうね。だから、甘えっ子だったっていうのが当たってるかどうか別にして。
例えばさっきの小室さんなんかでもね、実は彼が兄貴分に見えるでしょ。ほんとは僕が兄貴分なんですよ。彼は僕を慕ってるだけなの、ほんとに。僕ってね、すっごい兄貴っぽい所があって結構友達できるんですが、その反面でものすごい甘えっ子だったりする、末っ子だし。いろんな人格っていうか性格を持ってて、それでこう、巧みに世渡りをしてるなっていう。結構、うまいな、結構自分で陶酔するな。吉田っていいなって思いますね。(笑)
きょうずっと聴いててね、吉田拓郎ってまんざらじゃないな。
きょうの酒は美味そうだな。(笑)そんな感じがしましたね。
えー、今、ツアー中なんです。
アナ: はい、もうすぐ、えっと今日は10月の10日です。あさって、さきほども何度もおっしゃってましたけれどもね、群馬にいらっしゃるという事で。
拓郎: 明日から行きます。
アナ: で、11月の3日は、大宮ソニックシティホールで、大好きな大宮に。
拓郎: そうですよ、大宮命っていうか故郷って呼びましょうか、これから。(笑)
アナ: クックック。そして11月になりますけれども、宇都宮市文化会館、そして15日には日本武道館という。
拓郎: はい。
アナ: えーまだまだたっくさん、これは12月の末まで書いてありますけれども、横浜ですとか、長野ですとか、あちこちでコンサート行われますので、是非みなさん足を運んでくださいね。
拓郎: そうですね、足を運ぶのはいいですが、足を開かないでください。(笑)昼間っから言ってるように、お願いだから足を開かないように。
アナ: 流れている曲、たくさんリクエストをいただいています。吉田拓郎さん、「男達の詩」
 
 
 
 

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