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2005/04/06

( 7 ) 拓郎「中学、高校、大学時代」を語る

拓郎: 広島の中学校、高校、大学の頃に聴きまくったという曲をですね、いろいろ聴いてみたいなと思います。
で、選曲してみたんですが、とんでもない曲が出てきますけれども、まずあのボブディランていうのが必ず僕の場合、言われまして全然あんな、足元にも及ばないんですが、神様ボブディランの曲をですね、「風に吹かれて」。
まぁあのー、ボブディランていうのはフォークソングの神様、でもフォークソングっていうかロックの神様でもあるんですが、要するにギターを弾きながら首からハーモニカぶら下げて、なんかカッコいいんですよ。僕なんか形から入る人間だから、ボブディランの写真見た時に、「これいい」っていう。もう直感でね。この人みたいにしよう、みたいに形で。その人がどんな歌を歌ってるかってよくわかんなかったです。僕は今でもフォークソングってよくわかんないし、ボブディランの歌もよくわかんない時がいっぱいある。わからないけどなんかこの、形が好きで、広島にいる時ボブディランの真似をしようっていうんで、家出を何度もしてたりすると俺もしなきゃ、とか思うんだね。ほいで俺なんか母親に「明日家出します」って言って家出するっていうね。わけのわかんない家出をね、2、3回してるんですよ。ギターを抱えて山陰地方を周るっていう。島根、鳥取を周って、砂丘を見てねギター弾きながら、うーんフォークだ、とか思ってるわけ、形だけで。ま、アイドルですねボブディランは、憧れきってるから何でも良いわけ彼がすることなら。彼が反戦て言えば、私
も反戦、みたいな感じでね。いろいろ研究して彼の才能がわかってきたんですが・・・ところが僕はボブディランなんかを聴く前は何してたかっていうと、意外とですね例えばアメリカンポップスっていうのが50年代とか流行ったんですが、プレスリーとかね、いろんな奴がいたんですがビートルズなんか出てくる前ですから。これがね、どこが憧れちゃうかというとアメリカの若者の生きてる生き様というか、カッコいいんですよ。要するに車を乗り回すっていう形とか、ガールフレンドのあり方とか、高校なんかでやるダンスパーティー
がカッコいいとか。そういう彼らが出ている映画なんかを観に行くと、流れてる音楽がすごい素敵、とかね。アメリカの文化に憧れるもんだから、当時、なんでもいいからアメリカっぽくいきたいわけでしょ。僕なんかも子どもの頃ね、達者でな、とか歌ったもんですよ、ステレオで。だから三橋美智也さんの歌も好きだったし、三波春夫さんの、おーい船方さんとかね。
でも結構アメリカ的な物にね、憧れてて。僕はねたまたまうちの兄貴が、東京でピアニストやってたんですよ。でその兄貴の影響でね、洋楽っていうのを結構聴かされてたのね、その頃から。ほいで次の曲なんですが、日本にはいろんなリズムが流行って、マンボとかツイストとかですね、ダンスが流行ったんですね。僕、マンボ踊れませんけども、マンボズボンて知ってるでしょ。ああいうののはしりなんですけどね、日本でマンボが流行った時代があったんです。で俺の兄貴はマンボをやるバンドのピアニストだったの。うちの兄貴の持ってるレコードとか言うと、マンボなんです、ほとんど。僕、中学生だけど、マンボってわかんないんだけど、ウーッ、ていうんだって。
で、生まれて初めて見た、外タレっていう、今で言う、これがこのペレスプラードっていうね、マンボの王様がね、広島に来たんですよ。かっこ良かったなぁ、ステージで踊るわけ。矢沢永吉ですね今で言う。カッコいいんだ凄く。俺はこれになりたいって。ボブディランじやないの。踊る指揮者、後のスマイリー小原。こういう路線を僕は、もしかしたら歩んでたかも知れない。ものすごく明るくて気持ちがいいんですよ、マンボって。当時聴いた曲なんですが、「マンボ№5」。
えーこういう昔、聴いた曲をね、今さら聴いて、当時をね懐かしんでも仕方がないんですが、僕、その頃自分がどうだったかっていうと、思い出すのはね、日本のテレビ。だから日本のプレスリーとか、和製プレスリーとか、和製ニール・セダカとか、和製コニー・フランシスが結構いたんですよ、ザ・ヒットパレードなんかの番組で。だいたいね、ザ・ピーナツのだったりとかですね、藤木たかしっていうですね、ツイストの王者がいたんですよ。それとか飯田久彦っていうね、ビクターの今、ディレクター、プロデューサーですか。あの、ピンクレデイーを育てたっていう。あの人、あのー和製デル・シャノンっていう人だったんですね。で、和製をテレビで見てね、それから本物のレコードを買いに行くっていうね。むしろ僕達は、坂本九さん達がやってた和製ポップスを聴いて、本物を買いに行くっていうことでしたね。
続く
 

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